好決算なのにウクライナ情勢で売られているフィリピンの銀行株に注目!
どうもshoheybeatzです。
3月第1週目のフィリピン総合指数(PSEi)は、ウクライナ情勢の懸念により0.62%(46.08ポイント)下落の7,342.01ポイントでクローズしました。
全てのセクターが下落している中、引き続き不動産と原油・鉱業は好調ですが、最近フィリピンの銀行株について注目しています。
といいますのも、2月末からフィリピン大手銀行の決算が発表されていますが、2021年はかなり内容が良かったからです。
そこで今回はフィリピンの銀行株について解説したいと思います。
フィリピンの銀行セクターの現状と予測は?
パンデミックによるフィリピン経済への影響は深刻ですが、その中でも銀行セクターは大きく低迷しました。
2020年のパンデミックの最盛期には、銀行の収益は2019年の2,306億7,000万ペソから32.7%減少したと言われています。
しかしフィリピン中央銀行(BSP)のデータによると、銀行貸出は、2020年12月から2021年7月までの年次減少を記録した後、昨年後半に改善しました。
2021年のフィリピンの銀行総所得はパンデミックからの継続的な回復に伴い、不良債権の引当金が大幅に減少したため、2020年の1552.2億ペソから44%増加して2236億6000万ペソとなりパンデミック前の水準に戻りました。
さらにS&Pグローバルレーティングは2月23日のレポートで2022年には5%から7%の信用成長が見込まれていると報告。
平均資産収益率は、2021年の1.1%と比較して、パンデミック前のレベルである1.2%に戻るだろうと述べています。
今年初め、フィッチ・レーティングスのレポートで『今年のフィリピンの銀行セクターの見通しは、アジア太平洋の新興市場で見られる景気回復とローンの伸びの傾向に支えられて「改善」するだろう』と報告していました。
上記のことから今年フィリピンの銀行の成長が大きく期待されていることがわかります。
次にフィリピンの銀行にとって業績を左右する重要なファクターとしてインフレや金利について中央銀行の動向を見てみましょう。
インフレと利上げに対するフィリピン中銀の動向は?
フィリピン統計局(PSA)によると、2月のフィリピンのインフレ率は3%にとどまりましたが、今後数カ月でインフレ率は上昇すると考えられています。
フィリピンの中央銀行(BSP)は、2月17日のレビュー会議で金利を2.0%に据え置き、パンデミックからの回復に伴いさらに経済を支援することに努めると発表しました。
フィリピン経済は、昨年第4四半期に前年比7.7%の成長を遂げ、前四半期の6.9%の成長から加速し、前年同期の8.3%の縮小から回復しました。
通年の成長率は5.6%で、2021年の政府の目標範囲である5%から5.5%を上回っています。この国は、2022年にGDP成長率を7%から9%に加速することを目指しています。
米連邦準備制度理事会を含むいくつかのグローバル中央銀行が利上げの準備をしているため、BSPは急いで金利を引き上げようとはしていません。
ベンジャミン・ディオクノ総裁は2月9日、「米連邦準備制度理事会の金融政策調整に必ずしも対応する必要はない。したがって、本当に回復に向かっていることを確認するために辛抱強く努力する」と語っています。
ただし昨年末ベンジャミン氏は「2022年前半の利上げは見込んでいない」と言っていましたので、逆に言えば後半は利上げの可能性があるかもしれません。
一般的にインフレ率が高まる局面で利上げが行われますが、金利が上がるとグロース株にとってマイナスですが、不動産や銀行株など景気敏感株にとってプラスに働くため、しばし金利上昇へのリスクヘッジとして銀行株が買われています。
上記のことからも、今後ワクチン接種が拡大して景気回復が進んでいき、インフレが過熱し、金利が上昇する局面が来るということを踏まえると、まだ金利が低いうちに銀行株を買うのは決して悪い選択ではないと思っています。
2021年の銀行業績と現在の株価
それでは最後に、先月末から発表されている2021年の大手銀行の決算と株価チャートを見てみましょう。
経済セクターは昨年第三四半期から経済回復の兆しを見せていたことやGDPの伸び率から、銀行を含むPSEの金融インデックスは、9月から積極的に買われたことにより上昇トレンドに入っています。
その裏付けともいえる業績も、先月末からフィリピンの大手銀行の決算が発表されていますが、大変良い数字をたたき出している銀行が多いことに驚きました。
短期的にはウクライナ情勢の緊迫化への懸念や原油高により銀行株が売られているものの、未だ50日移動平均線上にあり上昇トレンドは維持しているため、ここでうまく反発してくれることを期待しています。
と言いますのも、昨年に引き続き今年も大手銀行で貸出残高の伸び、不良債権値が低水準を維持することで利益を伸ばし続けると予測されていますので、銀行株にとって追い風となると思います。
それでは先日発表された2021年のフィリピンの大手銀行業績と株価について見ていきましょう。
BDO Unibank
BDOは利息以外の収入と正規化された引当金が11%増加したため、純収入が2020年の282億ペソから昨年は428億ペソに51%増加したと報告しました。
今年に入り20日移動平均線が50日移動平均線を下からクロスしていい形で上昇トレンドになっていますが、2月からウクライナ情勢の悪化により50日まで落ちてきていますが、ここで何とか踏ん張ってリバウンドしてくれることが期待されます。
Bank of The Philippine Islands (BPI)
BPIは、貸倒バッファーの減少と手数料収入の増加が利息収入の減少を相殺したため、2021年に238.8億ペソの純利益を計上し、純利益は前年比で11.5%増加。第4四半期だけでも、純利益が前年比51.2%増の64億ペソとなりました。
昨年10月から右肩上がりの上昇トレンドに乗っていて、ちょうど今20日移動平均線の下まで落ちてきています。
個人的にこういう形のチャートが好きです。
Rizal Commercial Banking Corp. (RCBC)
RCBCはコアビジネスの力強い業績に後押しされ、収益が41%増加し、昨年は過去最高の70億8000万ペソを記録しました。
第4四半期だけでも、銀行の純利益は2020年の同時期の10億2,000万ペソから71.6%増の17.4億ペソになりました。
RCBCは一足遅かったです。すでに先週大きく上昇してしまってました。
Metropolitan Bank&Trust Co.(Metrobank)
メトロバンクは昨年の純利益は貸倒引当金の減少により2020年の139.74億ペソから60%増加の223.64億ペソとなりました。
MBTもいい形の上昇トレンドですが、今回50日移動平均線まで落ちてきてくれましたので、ここから入るのは悪くないと思います。
<その他銀行の業績>
Philippines Saving Bank
Metropolitan Bank&Trust Co.(Metrobank)の貯蓄銀行部門であるPhilippine Saving Bankの純利益は手数料収入が22%増加し、費用が3%減少したことと、回収努力を後押ししたことによる貸倒引当金の減少により、2020年の11億1,000万ペソから昨年は39%増加して15億5,000万ペソになりました。
Security Bank Corp.
第4四半期の純利益は171%増の21億ペソとなりましたが2021年の純利益は純利息収入が減少し、費用が増加した一方で、貸倒引当金が大幅に縮小したことにより、7.2%減少して69億ペソになりました。
China Bank
China Bank は、コアビジネスの持続的な成長と効果的なコスト管理を背景に、昨年、純利益が25%増加して151億ペソとなった。
まとめ
2021年はフィリピンの銀行にとってパンデミックからの回復により大きな改善があった年になったようですが、今年も銀行の見通しは明るく、引き続き利益が増えると予測できます。
そう言ったことから銀行株は昨年末から投資家に注目され始め、セクターのインデックスは上昇トレンドに乗っています。
2022年3月現在ウクライナ情勢の緊迫化への懸念や原油高により銀行株が一時的に売られていますが、昨年からの上昇トレンドは維持していますので、私は今このタイミングは絶好のチャンスなのではないかと思っています。
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※なお上記内容は投資2年目の超ビギナーによるものですので、必ずしもそうなるとは限りませんので、その点はご理解お願いします。
画像引用:
インフレ率
記事引用:
https://www.philstar.com/business/2022/02/11/2159940/philippines-banks-earn-p223-billion-2021/amp/