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読書会レポート

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読書会のレポートです。主催者の感想、ご参加いただいた方の感想を載せています。
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2022年10月の記事一覧

10/29 早朝読書会 オマル・ハイヤーム『ルバイヤート 生きのなやみ』

読書会をやってみてオマル・ハイヤーム『ルバイヤート 生きのなやみ』の読書会を3名で行いました。 今回読んだ箇所は特にペシミスティックな印象がありました。〈母から生まれなかった者こそ幸福だ!〉という部分から、反出生主義の話に広がり、生まれそして死ぬだけのこの世界、その世界で生まれるとは?因果、必然性、偶然性などなど話しました。 また以前取り扱った、坂口安吾やヤン・コハノフスキの作品との類似点も見つかりました。それぞれ生きた時代、語り口は違えど、文学を突き詰めていくとなにか同じよ

10/22 早朝読書会 坂口安吾『日本文化私観 家に就て』

読書会をやってみて坂口安吾『日本文化私観 三 家に就て』の読書会を4名で行いました。 家とはなにか?この作品では、坂口安吾の実際の経験、実感から、考察しています。家に帰ると叱られてしまう。人は孤独で、誰に気がねのいらない生活の中でも、決して自由ではないのである。こういった感覚を経験したことがあるかどうか?という話しからスタートしました。 「仕事に熱中していると感じないが、暇になると感じる」など意見が出ました。ぼくも、なんとなくわかる気がします。 坂口安吾はこの家から文学が生ま

10/15 早朝読書会 ヤン・コハノフスキ『挽歌 挽歌一、二』

読書会をやってみてヤン・コハノフスキ『挽歌 挽歌一、二』の読書会を5名で行いました。 この読書会では始めて青空文庫以外の作品であり、また、ヤン・コハノフスキという日本ではあまり認知されていない作家(ぼくも知らなかった)の作品を扱いました。 この『挽歌』という作品はヤン・コハノフスキの娘オルシュラの死を悼む19篇の連作です。 読書会では、失った大事なものをどう捉えるかという話になりました。ぼくらは、なにか大事な人を失ったりした時、一定期間は悲しみに打ちひしがれますが、その後日常

10/8 早朝読書会 宮沢賢治『やまなし』レポ

読書会をやってみて宮沢賢治『やまなし』の読書会を5名で行いました。 宮沢賢治独特の擬音について、クラムボンとはなにか?なぜ母親が出てこないのか?東北地方の間引きについて、などなどに話が展開していきました。 こういったよくわからないような話を自分の解釈で広げていくのが文学の魅力だと思いました。 ご参加いただいた方の感想M.Tさん クラムボンが何なのか、なぜお母さん蟹が出てこないのか。 皆さんの意見を聞いて「そういう捉え方もできるよな」と驚くことが多かったです。 今朝も楽しい1

10/1 早朝読書会 夏目漱石『夢十夜 第二夜』レポ

読書会をやってみて夏目漱石『夢十夜 第二夜』の読書会を5名で行いました。 夢なのに身体感覚の描写が鋭く、読んでいるこっちも胃がキリキリしそうな内容でした。 一番盛り上がった箇所は「最後、この侍は悟ったのか?」という点です。色んな意見が出ました。 また以下の話題が出ました。 ご参加いただいた方の感想M.Tさん ただただ女に会いたいと百年待って願いは叶った第一夜。第二夜は、無にならなければともがいたが無になれずに時間切れ。侍の願いは叶わなかった(と私は思う)。 成し遂げなければ