【拾われた男】が面白いって話。
最近、地上波で放送開始された
【拾われた男】が面白くてハマっている。
俳優の松尾諭の半生を描かれたエッセイが
原作となっている。
松戸諭役に仲野太賀が演じる。
これがもうハマり役なのだ。
あまりにも自然なので仲野太賀の半生かと
思ってしまうほどだ。
俳優を目指し兵庫県から上京するが、
ノープランで来たものだから
アルバイトをして生活する。
そんな時、自動販売機の下に落ちていた
航空券を交番に届けたことで
人生が大きく変わる…という
嘘のような本当のシンデレラ(?)ストーリー。
でも、物語を見ていると
この人なら運は味方するだろうな
と妙に納得する。
松尾さんは人に愛される。
素直で真っ直ぐで嫌らしさが全くない。
嬉しい時は全力で喜ぶし、
悔しい時は全力で悔しがる。
それが清々しいのだ。
あと、無名時代には井川遥の運転手を
していたという逸話がある。
この場面がとても面白い。
当時、癒し系女優として名を馳せた彼女にも
人知れぬ苦悩があった。
自分はそんな人間のつもりないのに
癒し系というキャラクターやイメージを
守ることに疲れていた。
そんなとき、松戸諭という愛すべき男が
やってきたことで彼女は癒されていく。
癒す人間だって癒しは必要なのだ。
そして、好きなものを好きと言える喜びを
取り戻していきエネルギーとなる。
プロレス観戦のシーンは最高です。
今でも井川遥は「まっちゃん」と呼んで
親交を続けている。
しかし、この松戸諭…
女優の運転手を頼まれても
腐らず文句一つ言わず
むしろ、使命感を持って
任務を果たしていた。
俳優を目指す者としてのプライドが
あってもおかしくはないのに。
それどころか、井川遥の撮影現場の
スタッフやキャストと仲良くなってしまう。
そこでキャスティングの人の目に留まり
新作のオファーを貰うのだ。
(脇役の脇役ではある)
それって凄いことではないか。
どんなときも自分のやるべきことを
一生懸命していれば運は巡ってくる、
運にまで愛されるんだなと思った。
家族とは良縁とは言えないが、
それでも家族の存在というのは
彼の中でとても大きいのではないか。
父はいわゆる頑固親父のようで
口数は少なく口を開けば嫌味を言うタイプ。
兄には幼少期からよく泣かされており、
ライバル、劣等感のようなものを
大人になってからも持ち続けている。
そういった父と兄がいたことで
反骨精神が生まれたのだろう。
穏やかで素直な姿からは想像できないような
父譲りの頑固さと兄への憧れが。
この物語はただのシンデレラストーリーではない。
人間ドラマだと思った。
そして、芸能界という特殊な世界でも
結局は人と人との繋がりでしかない。
運も縁も、どう転がっていくかは
自分次第ということを教えてくれる。
余分なプライドは邪魔になるだけだ。
自動販売機の下に腕を伸ばすことなく
余分なプライドだけを持った男は
とうとう彼女と共に消えてしまった。
なによりも一生懸命な人間は
誰かが見てくれている。
応援してくれる、支えてくれる。
カッコいいよ、松戸諭!いや、松尾諭!!
いよいよ来週からは伊藤沙莉が本格的に登場する。
これが松戸の運命の人、、らしい。
演技派の役者揃いで、本人役としても
有村架純などが出てきたりして面白い。
またまだ語りたいが、
「この話はまた今度…」