【ゲーム制作】命中率というワナ
一撃で倒せる敵なのに攻撃をかわされて思わぬダメージを被る……そんな体験はありませんでしたか?
RPGなどで広く一般的に存在する命中率についてゲーム作る視点で考えなおしてみました。
■まずは結論
・基本命中率は100%にする
・回避以外の要素を作る
■なぜ命中率について考えるのか
RPGなどでごく一般的に与えられている要素なのにデメリットが含まれています。私が思うに大きく2点ほど。
・プレイヤーにストレスを与えやすい
運というプレイヤーではどうしようもない要素のためプレイヤーにストレスを与えやすいです。プレイヤー自身の選択の余地がないため理不尽さがどうしても残ってしまいます。
いい出来事よりも嫌な出来事のほうが印象に残りやすいため、なお一層ストレスを与えやすい出来事については考えたほうがいいかと思います。
・ゲームバランスが取りにくい
外れると0ダメージと扱いが同じためダメージが極端になります。
命中率が90%で4人パーティーで攻撃したときの命中率は以下の式で成り立ちます(確率自信ないから違ったらコメント下さい!)
(全体)-(全員か命中する確率)=(誰か一人でも外す確率)
1-(0.9*0.9*0.9*0.9)=0.34
つまり誰か一人でも外すことになる確率は34%です!10ターンかかったら3回くらいは外すことになります。
90%って結構高いイメージですが外れるときは外れます。
■電ファミ通(乱数の調整について)
命中率90%から85%への変化はプレイヤーからしたら外す確率が10%から15%の1.5倍に上がったのと同義になります。確率の捉え方を少し変えるだけでも設定値の印象が違うのではないでしょうか。
この辺の人間の確率をどう捉えるかは、色々なコツがあるんです。例えば、仮にある武器の命中率に85%と90%の差をつけたとしますよね。これは、単に5%しか差をつけていないのですが、プレイヤーは大変に大きな差を感じてしまうんです。それってすごく不思議に思えますが、逆にこれを「命中しない確率」だと思ってみて欲しいんです。
■命中率を考慮しているゲーム
○ファイアーエムブレム シリーズ
シミュレーションRPGの草分けとなったゲームシリーズ。作品によっては50%以上は表示以上に、50%未満は表示以下に命中率が設定されています(実効命中率と呼ばれている)
70%と表示されていても実際は82%で命中されるよう処理がされています。
外すと致命的になる場面が多くストレスになりがちなためこのような設定がされていると思われます。
■模索中の解決策
・基本命中率は100%にする
確率によるストレスを減らすためにも基本命中100%に設定させましょう。
スキルや装備によっては命中率が減るというならばプレイヤー自身で選ばせたもののためストレスも少なくなります。
・回避以外の要素を作る
0か1かの両極端なバランスを解消するため回避以外の要素を作りましょう。
・一定確率で攻撃を自動で防御する(ダメージを半減する)
・当てにくそうな攻撃はダメージの乱数の幅を大きくする(剣は10~13ダメージ、斧は4~20ダメージと幅を乱数の広くする)
■基本命中100%プラグイン(ツクールmv)
ツクールmv用に自作したプラグインです。今回のテーマにそった内容のプラグインとなっております。
概要は以下になります。
・基本命中率は100%
・スキルの命中率に依存する
・敵の回避率については別途反映される