ただし
でかい風呂に入りたい。裸の人がたくさんいるというのに、孤独な時間が作れる銭湯やサウナはふしぎ。 特に一人で行った銭湯や温泉、サウナでは、物思いに耽ることや、周りを見て何かを感じがちなのでそんな風呂を紹介します。
全身全霊でぶっ飛ばしてやる。 ぼくは格闘技をやっている。はじめたての頃は、生活改善のためだったが、続けているうちに自分が強いのではないかと錯覚した。試合に出るようになった。 勝てるだろ、と思ったし、いけるとこまでいってやろうなんて思っていた。案外勝てなかった。 じきに実を結んだ努力もあって、3戦目で初めて勝った。そして思った、やっぱりぼくは強いじゃないか、と。 そこから、中級者向けのトーナメントに出始めた。 一応大学生の最後だったので、記念半分、力試し半分といった感じ
こってり飲み尽くした上での、山手線の20分は1時間半と同義だな、とか、朝7時の頭では、具のところが倍になってるソーセージマフィンは400円超えててもちょうどコストの分だけ満足させてくれるな、とか考えてた。なんなら2個いけるな、と思った。JRを降りて、大江戸線に乗り換えるほぼ垂直の階段の折り返しの地上で、チラッと見えるマクドナルドにどれほどの誘惑があるのか思い知らされたりした。まんまと引き込まれたりした。 飲み尽くした後の始発でも、なかなかアパルトの中の彼のように、自分から遠
音楽葬って知ってる? 葬儀の時に、故人や遺族の意向で好きな音楽を流したり、生演奏を行う葬儀のこと、らしい。 僕は存じ上げなかった。 最近、死だ、悔恨だ、って薄暗い話ばかりしてしまっているけど、これは至って前向きな話としてお付き合いいただきたい。 音楽葬を知るきっかけになったのは、半年ほど前に、知人と ”もし自分の葬儀の諸々を決められるなら、どんな式にしたいか” なんて話をしていた時だった。 僕は、もし自分の死が予見できる状況で、尚且つ割合自分が若い時分であるならば、薄暗
路地にある、カウンター数席のもつ煮込み屋に行った。店が路地にあると云うより、路地にカウンターがあると云った方が適切かもしれない。 路地の手前にハラハラと揺れる店名の書かれた旗が良い意味で時代錯誤で——昭和なのか大正なのかわからないけれど——路地に入るとともに、とにかく古きに引き込まれていくようだった。 驚くほど元気な老齢のお母さんが1人で切り盛りしているお店で、常連さんたちで既にカウンターは埋まっており、賑わっていた。文字通り賑わっている、という感じだった。 雨が降って
僧の説法を聴いた。 といった話だった、おおよそ。メモしたかったけれど、流石に野暮なので、僕の弱い海馬に残っていたのはこんな感じ。 ここからは、この話を踏まえた私見なのだけれど、 僕は、元来、あまり故人からの意志を継ぐ、といった考え方は好きではない。遺書なり、生前に「頼んだぞ」という言質なり取れていれば話は別だけれど、そういった明示なしに勝手に遺族や身の回りの人たちが意志を継ぎ、それを背負うのはお門違いな気がするんだ。 勝手に背負うまではいいけれど、使命感みたいなものに駆ら
今回はいつも以上に、たくさんの人に練習に付き合っていただいて、観ていただいて、あたたかいお声掛けいただけたこと、お礼申し上げます。 ありがとうございました。おかげさまで非常にエキサイティングでした。奮わない結果と、ダーティすぎる内容については、力不足です、一度お隠れになって出直します。 ほんとはこれだけで良いのだけれど、ここからは蛇足。元来、僕は余白が残っている文章の方が好きなのだけれど、よく喋る僕は結果的に蛇足だらけでもう百足みたいなことになってしまう。 "リベンジって
”たまたま貰った甘い砂にはしゃいで、砂の城作ってんじゃねえよ” 髭面のいい出汁加減の30代前半くらいのお兄さんが、悦に入った感じで言った。 ちょうど1週間くらい前の夕刻かな、僕は、タイのキッチンカーが並ぶエリアを徘徊していた。バンコクの中心地を少し離れたところだろうか、闇雲に歩いていたら辿り着いた広場のようなそこには、小綺麗なキッチンカーや屋台が並んでいた。日本人街が近いわけでもないのに、なぜか日本人が経営しているお店が多くて、看板やメニューにも日本語が見える。脱サラなのか
僕の試合を観てくれる皆様へ いつも応援してくれる方々、本当にありがとうございます。 中には特に格闘技が好き、とかでもなく、僕がやるから観てくれる皆さんもいるかと思います。嬉しいです。格闘技って、生きてる感じがして面白い、そんなふうに感じてもらいたいです。 ファイトスタイルに人柄は出るし、勝ち際、負け際の端に芯が見える気がします。面白いです。 今回、ちょっと張り切ってるから、初めてお声掛けした人もいます。結構強いんで、ある程度安心して観てもらって大丈夫です。 そりゃあ、勝
人間力なんて言葉は元来好きじゃない。みんな違ってみんな良い、と相反するからね。数値で決められたら、それが絶対的なものになってしまって、僕は彼より優れてて、僕は彼女より劣ってて、彼女は彼より優れてる、なんて具合に序列が縦一列になってしまうから。そんなシンプルな訳がないし、そんな目に見えてしまったらつまらないから。 ※と思ったから、最初は人間力ってタイトルにしてたけど、戦闘能力に書き換えました。こっちのほうがしっくりくる、きますよね? だけど、僕が僕自身をもっと育てていくために
給料日はすき焼きにしよう、 と社会人になった年から決めている。これは大好きな東京ダイナマイトのハチミツ二郎さんがそうしているらしく真似したのがはじまりだ。なんだか家庭的でダイナミックな感じで、好感が持てるではないか。 つい先週、給料日だった。 しかし、なかなかお金がまずいと牛は買えないし、すき焼きは4人からのスポーツなので、毎月開催できるわけではない。 とはいえ、給料日くらいは束の間の極楽を味わいたい。 そんな気分のジムの帰り、ああそうだ、サウナか整体に行こう。野山に混じ
雑居房かよ。 テレビやラジオがないのはもちろん、時計や温度計があったと思しき位置は、引きちぎられたようなコードが垂れ下がり、影というかシミが残っている。かつてはそこにあるべきものがあったのだろう。雑然と暑い部屋があるだけで、あとは苦しそうな男性達が座っているだけ。森のアサガオという刑務官を描いたドラマで見た刑務所にも、ラジオから流れる井上陽水に受刑者が陶酔している場面があったくらいだし、刑務所でももう少し楽しめる計らいがあるはずだ。 体感温度は92度くらい。ただ我慢してい