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もらったものを忘れずに /day41

この前菅田将暉さんが主演を務める映画『百花』を見て感じたことについて話したい。(※ネタバレを含みます)

ざっくりとした映画の内容としては、菅田将暉さんの演じる葛西泉の母親が認知症になってしまい、その母親が記憶をなくすにつれて、葛西は昔の母親との記憶を思い出すストーリー。

葛西は小さい頃から母親と2人で暮らしていた。そんな時、母親が1年間ほど葛西を置いて他の男と暮らすのだった。その悲しみを大人になった今でも抱えている葛西は、自分を母親から愛情を受けずに育ったと思っており、そのせいで母親は彼女が得意なピアノよりも先に自分(葛西)の存在を忘れたのだと思っている。

だが、最終的に葛西は知る。
母親は葛西を置いて出て行った時もその前後もずっと葛西のことを愛して、葛西との思い出は覚えていたことを。それに対して、葛西自身は母親からたくさん愛情をもらっていた時の記憶を今までずっと忘れていたことを。
そんな内容だった。

この作品を見て僕は自分自身も親しい仲の友人や家族と関わる中で、少し亀裂が入るような出来事一つをとってその人の全てを否定してしまったり、その人からもらった宝物のような思い出を忘れてしまっているのではないかと思った。
人は自分が相手に与えたものばかり数えて、相手からもらったものは全然数えようとはしない。

僕はその正反対として、与えたことを忘れ、もらったことを心に刻むようにしていきたい。そう思わせてくれる映画だった。


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