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「杉本博司 本歌取り 東下り」松濤美術館

杉本博司という現代美術家のことを、日経新聞の連載「私の履歴書」(2020年7月)で知った。映画を長時間フィルムに露光させ、一枚の写真に写し込む「劇場」が特に印象深かった。

劇場 カーペンター センター、1993 年

その直後、7月末から森美術館で開催されていた「STARS展」にて「ジオラマ」などの実物を見る機会に恵まれ、私の記憶と深く結びついた。

《「ジオラマ」 北極ぐま》
…今思うと、草間彌生、李禹煥、宮島達男、村上 隆、奈良美智、杉本博司の6名の展示、豪華すぎる。


そんな杉本博司の展示が渋谷区松濤美術館で開催中。面白かった。

2023年9月16日(土)~2023年11月12日(日)

本歌取りとは、本来、和歌の作成技法のひとつで、有名な古歌(本歌)の一部を意識的に自作に取り入れ、そのうえに新たな時代精神やオリジナリティを加味して歌を作る手法のことです。

現代の作品が古典作品と同調と交錯を繰り返し、写真にとどまらず、書、工芸、建築、芸能をも包み込む。


代表作の「海景」

《「海景」 相模湾、江之浦》

「海景」を自身で本歌取りした最新作《宙景 001》と隕石

《宙景 001》

屋外展示によって風化した「海景」

《Time Exposed:地中海、ラ・シオタ》


写真暗室内で印画紙の上に現像液又は定着液に浸した筆で書いた「月」「水」「火」「狂」《Brush Impression》

《Brush Impression》
《Brush Impression》


芸術は理解に及ばずともそれぞれが何かしらからの影響を受け、自身の手によって発展させていく取り組みのようなものだと感じる

松濤美術館は白井晟一の建築も見どころだ。

ブリッジから見た噴水

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