やっぱり理解可能なインプットが大事な話
【職業】
英語を教える仕事をしています。教歴27年。
【研究】
1. 言語と脳の研究で博士号を取得。英語等の外国語や第二言語の習得メカニズムを解明する研究をしています。
2. 英語教育の開発。学術的知見に基づいた英語運用力の習得、コミュニカティブアプローチ (CLIL, TBLT)、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)、テスティング理論を組み合わせた英語教育の開発。
【資格】
英検1級、TOEIC4技能満点、Cambridge Council of Europe Level C1
最近、教材やノンネイティブの英文を見る機会が多いのですが、自然な英文を書くことがいかに難しいのかを感じています。しかし、グローバルな視点で言うと情報がしっかり伝われば良いので、そこは寛容になる必要があるのかもしれません。
自然な英語を書けるようになりたい場合は、やはり大量の理解可能なインプットが必要です。理解可能なインプットとは、学習言語でメッセージや内容を理解することです。英語で読んで内容を理解する、英語で聴いて内容を理解する。それを日々続けることで自然な英語を書けるようになります。
インプットをする過程で様々な組み合わせ(単語と単語の組み合わせ、様々な表現の組み合わせ)が無意識のうちに習得されます。そして予測文法を習得することができます。予測文法とは、次にどんな表現が来るのか予測できることです。例えば、My name isと聞くと、次に何が来るのか予測できると思います。これは複雑な表現でも、ある程度の予測がつきます。スマホで英語で打っていると、次の予測の表現が出ますが、まさにそんな感じです。
辞書を---------
何が来るでしょうか?
答え:引く
予測できたでしょうか?それが予測文法です。
では、「本を引く」と言うでしょうか?
日本語母語話者は大量の理解可能なインプットを常に行なっているので、そう言った表現を無意識のうちに身につけているのです。
英語でも同じです。学習言語でも同じと言えます。大量のインプットをすれば、無数の単語と単語の組み合わせを無意識のうちに習得できます。日頃から英語で読書をしたり、英語で情報を得たり、英語で映画を楽しんだりすることで身につけることができます。
しかし、大量に行う必要があります。母語も大量にインプットしているように。大量に行うためには「楽しむ」しかありません。楽しむことで、大量にインプットを行い、継続することができます。
私はかなり年齢を重ねてきましたが、今でも英語力が伸び続けていると思います。常にインプットをし続けています。時には、やる気が出ないこともあります。そんな時でも、何か面白いコンテンツがないかなと探しています。
英語で伸び悩んだら思い出すようにしています。
それは「理解可能なインプット」。
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