いちばん遠いと思った場所へ。
自分の目で見ることができる
いちばん遠い場所へ、
行ってみたいと思っていた。
電車の窓から眺めた川向こうの緑の空き地。
帰り道の坂の上から見える1本道の果て。
その場所はどこであってもひかり輝いていて、
あそこへ行けば望むものが見られるかもしれないと思った。
小高い丘の上へと伸びる小道が
どこへ続いているのか、
確かめに行きたいのだ。
ついに目的地を目指して
自分の足で歩いていくことに決めて、
ようやく辿り着いてみると、
案外と普通の
ぼやけた街並みが広がるばかりだったり