清陵祭のクライマックスはファイヤーストーム。 1年生のときは、なぜ高校の文化祭のシメが校庭でキャンプファイヤーなのか、と疑問に思った。はたから見れば原始人の祭りだ。大きな火柱の周りを、がむしゃらに走りまわって泥を掛け合う。どこにも「文化」の要素はない。 ただ、実際にやってみると存外に楽しいもので、たった一度の体験で私はすっかり受け入れてしまった。 抗えない火の魅力。言葉にできない高揚感。私のなかにも祖先から連綿と受け継がれているヒトの本能みたいなものがあるんだなとしみじみ噛み