ラディカルアクセプタンス

最初にこの言葉を知ったのはDaiGoさんの動画(こち)でした。そして中古で購入した、タラ・ブラック著の「ラディカル・アクセプタンス」という本。

そして、著者のタラ・ブラックの動画(こちら)も見ました。

とても感銘を受けた本で、トラウマに悩む人にはオススメしたいプロセスだと思いました。

現在、出版社のサンガは倒産。それゆえこの本はAmazonでは定価の3倍以上で扱われています。サンガは残った社員とクラウドファウンディングでサンガ新社としてこの夏生まれ変わりました。

サンガ新社NOTE

この「ラディカル・アクセプタンス」も再刊行されることを期待しています。

心理学者であるタラ・ブラックは、学生時代から瞑想リトリートに参加していたそうです。そういう彼女から生まれたのが「ラディカルアクセプタンス」というプロセス。「ラディカル」は根本的な、と訳すことができ、「アクセプタンス」は受容と訳せますから、私はラディカルアクセプタンスを「根本的な受容」と訳しています。

タラ・ブラックは仏教をよく勉強されていて、同時にマインドフルネス瞑想を用いた心理療法を多くのクライエントに施してきた治療者です。本の中では、12のケースをもとに治療プロセスが描かれていますから、治療者もイメージしやすいです。

私はもともとフォーカシングという心理療法のほうをやっていたので、共通点も多く感じました。(瞑想ベースであること、など。)

しかしフォーカシングはからだへアプローチしていくものなので、マインドフルネスはそれに比べるとかなりダイレクトです。PTSDレベルのトラウマがある方は、曝露法(エクスポージャー)になってしまう危険性があります。

私は和訳された洋書の筆者/アメリカ人から仏教を学ぶ、ということが少し面白く感じました。

日本の仏教は殆ど文化として残っているものだけで、人々の心に仏性を育む、ということが無くなっていることや、瞑想や説法を体験できる場所(お寺)も結構少ない、と感じました。(坐禅をやってるお寺ならいくつかあるけれど…坐禅と瞑想は違います。)

最近はマインドフルネスをベースにした心理療法も色々開発されています。(いわゆる第3世代心理療法群)。医学的な心理療法とスピリチュアルが混ざってきているのが現代の心理精神医学かもしれません。

ラディカルアクセプタンス(根本的な受容)でも、マインドフルネスでまずマインドフルに、善悪をラベリングせずに浮かんだ気持ちや記憶をただただ眺める、という練習から始まります。(ここまではマインドフルネス)

次にラディカルアクセプタンスでは、聖なる間を取る練習をします。菩提樹の下でブッダが悟りを開いた瞬間をイメージし、いかなるときでも間を取ることができるように心がけ、練習していくのです。

そして、ラディカルアクセプタンスの肝となるのは、仏教的な思いやりを持って、自身の煩悩を受け入れ、許すという作業をやっていくことです。過去の自分の過ちが許せないのであれば、そのことを反省し続けるのではなく、過去の自分を肯定するのでもなく、逃げて考えないようにするでもなく、、自分と自分の中に沸いている傷付き・悲しみ・痛みを切り離し、痛みの部分だけをひたすらに許すのです。

こういったプロセスをじっくりと体験しながら繰り返すことで、トラウマを乗り越えることを目指しているのがラディカルアクセプタンスと言えるでしょう。


久々に感動したこの本を本当にオススメしたいですが、現場簡単に手に入らないということが非常に残念です。(サンガ新社、ぜひ頑張って下さい!!)

英語のリスニングが問題なければ、タラ・ブラックはPodcastを出しているようなのでそれを聞くのもいいかもしれません。

興味があれば、上記にもリンクを貼ったタラ・ブラックのYouTubeウェビナー(日本語同時通訳)をまず聞いてみると良いかもしれません。

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