1/11 自転しながら公転する
本日は読んだ本の感想を
2021年の本屋大賞にノミネートされた作品。
Kindleで無料で読めたので新年最初の小説でした。
初めて山本文緒さんの作品を読みましたが、とても読みやすい。
主人公の気持ちにスッと入れるような感覚でした。
通勤時間や昼休みを使って読みました。
主人公が私と同年代(30代前半)で仕事や結婚、親の介護などへの葛藤や希望など、、大げさでもなくとても等身大で現実感のある内容。
30代前半ってめちゃくちゃに揉まれて、他人が羨ましくなったり、自分の人生ってこれで良いのかとか、このまま幸せになれるのか、悩む時期。
でも、すごく楽しく希望もある30代前半。
仕事に恋に介護にもみくちゃになりながらも成長していく姿がとても共感できる。
ここからは、一番心に残ったことについて
※これから読む方で内容にあまり触れたくない方は、ご注意ください。
主人公が、
「別にそんなに幸せになろうとしなくてもいいのよ。幸せにならなきゃと思い詰めると、ちょっとした不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ」
と母になった主人公が娘に伝えます。
幸せになる!って頑張っている人って多い(私ももちろん多い)
でも、周りからみて幸せそうに見られたいとか、あの人の方が幸せそうだとか、結局幸せに終わりはなくて、いつになったら幸せになれるのだろう。
死ぬまで幸せとは何かを求めているような気がする。
自分が生きたい生き方をしましょう。正社員がいいとか、結婚して子どもがいるのが幸せとか、お金があった方が裕福で幸せとか、
今、幸せならそれでOKだと感じた。そして、幸せはずっと続かない。また、別の幸せを見つければいい。
花が散って咲くようになんども、幸せを繰り返せたら
私の好きな曲 いきものがかり「笑顔」のサビの一部分
まさにそうだなと想いました。
等身大の作品だからこそ、より読者に共感が得られるような作品だったと思います。