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【セミナー】中日ドラゴンズのレジェンド監督:落合博満監督の組織、人材論

中日ドラゴンズのレジェンド監督:落合博満監督の組織、人材論

■なんで聞こうと思ったのか?
子供だった当時はつまらない野球で試合見に行くの嫌だったが
あれ以来優勝していない。特にすごい選手が入ったとか大人になってからも聞いてもいない。
つまり人材育成と組織改編で勝ったに違いない。勝利に導いた思考の一端でも拾えれば儲けものだと思った

■聞いてみた感想
落合論をこのように解釈した
・管理職は目的を周りの力も借りて達成することがミッション
・配られているカードが何か、個性はなにか見極める
・目的を達成する為に障壁となるなら前任者の用意した環境も疑う
・どの組み合わせがなにを生み出すか、勝ち筋の仮説を見出す
・目的を明確に伝えた上で自ら考えて行動する癖をどのように植え付けるか
・組織を回す上で役割を分担し、干渉しすぎない。ただ統制を乱すものには多少パワープレイも必要

■聞いた上でどう思ったか?
プロジェクトに関して、自分が管理職ならどのような道筋で目標達成させるのか考える
自分の関わるポジションの中で目標達成に貢献できる影響範囲をそれをいつまでにどのくらいと
整理してから業務に取り組むようにしようと思えた。

以下議事録

内容読むうえで
★:大項目
●:中古目

★ 監督就任後に何を意識

● 最初は選手をひたすら見ていた

約60名の選手を観察し、個性を確認した。
レギュラー選手になるためには、打つ、投げる、守るの3つの能力を持っていることが重要と考えていた。
3つの能力を持っていない選手はレギュラーとして出場できないのか?
→ 否。ピンチヒッターや代走として出場する機会はあるか?
→ 一芸を秀でれば試合で起用すると伝えた。
選手同士の間では、「ゲームに使ってもらえない選手は自分の方が秀でているのに出れないのは不公平だ」と考える選手もいる。
監督としては公平な目線で判断し、感情は一切持たなかった。
● 勝つために何を考えたか

選手の能力を最大限に引き出すことが監督の仕事であると考えた。
選手の欠点を指摘されることもあったが、自分がその分野で一番だと試合で出場できることを示した。
具体的には、1塁から3塁までを一番早く走れる選手をレギュラーで起用すると公言した。
多くの選手を観察する必要があったため、キャンプ期間中は1軍と2軍を分けずにまとめて行った。
● 監督としての使命

オーナーからの2点オーダー:
①優勝
②チームの環境を変える
2点目が難しいため、キャンプのあり方をゼロから考え直した。
就任のタイミングでは補強を行わず、現存力を10%底上げすれば優勝できると自信を持っていた。
元々監督になったら具体的な計画はなく、就任が決まってから約2週間ほどぼんやりと考えていた。
評論家として5年間の経験の中で、「なぜキャンプをしていないのか」と疑問に思っていた。
★ コーチとの役割分担とは?

● 育成で心掛けたこと

選手の育成はコーチに一任し、監督は監督の仕事、コーチはコーチの仕事と明確に分けていた。
コーチが細かく指示を出すと、これまでのコーチの努力が無になるため避けた。
伸び悩む選手に対しては、何が足りないのか自分で考えさせる必要があると考えた。
試合で出場できない理由を自覚させるため。
落合監督とコーチとのやり取りでは、「手取り足取り教えるな」と取り決めていた。
全てを人任せにせず、選手自身が考える習慣を身につけさせた。
2004年のキャンプ初日に紅白戦を実施し、ほとんどの選手が準備してきた。
★ 場づくりにおいて大切なこと

● 根底の考え

すべては「勝つために何をするか」を出発点とする。
監督が考えることで、選手がその考えを実行できる環境を整える。
チーム内に決め事を設け、以下を徹底:
暴力は禁止
派閥を作らない
選手同士で食事を共にしない
フロントや他のスタッフの動きを見ない
選手専念の環境を作る
中間管理職のコーチも監督の考えを理解していなければならず、反する場合はユニフォームを脱いでもらう。
監督の意図が伝わらなければ、下の者は何をすべきかわからない。
組織づくりでは、監督の考えが間違っていても従わせることが重要。
● コーチとのコミュニケーション

毎試合終了後にコーチと振り返りを行った。
指導内容が日々一貫しているように徹底した。
失敗した時に選手を責めることは絶対にしない。メディアに書かれる内容は無視する。
失敗は監督の責任と考えていた。
● 選手、コーチとのコミュニケーション

能力がある選手の強みを最大限に活かすことを重視。
70人の選手それぞれの個性をどう生かすかを考えた。
2004年のキャンプでは全員を1軍にはできず、施設的に無理があった。
自分の見たい選手は1軍に、ほったらかしても良い選手は2軍に配置。
キャンプ地のブルペンを大幅に拡張するなどの新施策を実施。
投球場所を増やさないと全員を見れないと考えた。
白紙の練習メニューを選手に見せると戸惑っていた。
選手が自分で考える習慣を失っていると感じた。
★ 組織づくり、チームワークにおいて大切なこと

● 組織づくり

監督の指示を部下がどこまで理解し、シンクしているかが重要。
チーム全体としての一体感を重視。
仲良しグループを作るのではなく、共通の目標に向かって団結させる。
● 練習量

8年間で練習をストップさせたのは荒木選手だけ。
荒木選手は怪我をしていても自問自答の中で練習しすぎていた。
他の選手にはしっかりと練習させ、オーバーワークにならないよう管理。
落合監督が3冠王を達成した後、投手中心のチームになったことでチャンスを感じた。
★ 選手時代と監督時代の違い

プレイヤー時代は「どうやって一本でもヒットを打つか」を考えていた。
監督時代は「選手が行っていることをどうやって勝利につなげるか」を考えるようになった。
ヒットが0でも1点取って勝つ戦略もあると考え方が大きく変わった。
★ 有言実行のために大切なこと

目標を公言することで、目標が明確になる。
「笑いたい人は笑えばよい」と考えていた。
● 優秀な経営者とは?

会社を潰さない経営者であること。
そのために何をしなければならないかを明確にし、一つ一つ問題を解決していく。

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