
【推し活】ますます好きになっても知らないよ
推しがいるチームは変わらないけど、監督が変わった。その関係で、ファンサービスも変わったと言える。細かく言うと「あのチームかな?」と思うので敢えて言わないけど(そもそもこれまでそんなことがなかったので)
久しぶりに会いに行きたくて、休日の練習日に山の上の練習場へ行ってきた。去年の終わりからチームの練習とは別メニューだったけど、推しがやっと合流した。練習が終わって、取材を受けてたみたいだった。なかなかクラブハウスにあがってこない。出てくるのを待って、遠くから眺めている。
待ってる間、近くの人と初対面ながら話をしていた。推しチームが一緒だと、色々話が盛り上がる。推しが異なってようと、年齢が近かろうと、何度めか会った回数を忘れようと。
そんなとき、その人が「あとで写真を送りますよ」と言った。それでSNSのアドレスを交換した。
最後のところで、推しが遠くにいた輪からはなれてこっちに向かってきた。相変わらず髪の毛はふわふわで、外国映画の役者さんみたいな髪型をしていた(これは本人もSNSで言ってたけど)背丈もそれほど大きくなく、ベンチコートを着ていたので格好いいというより可愛く見える。
歩いていってはサインして、そしてハイタッチをする。
私のところまで近づいてくる。サインを書いてもらおうと手帳の空いたところ(裏表紙を開いてすぐのところ)を開いて待っていた。
本人がやってきて、「サインお願いします」といった。
言葉をかわす。心の声が聞こえないように、オブラートに包んで。
書き上げて、「ありがとうございました」と伝える。そして、こっちを見てくれた。
すごく嬉しかったけど、以前ほどの興奮感はない。ここ半年ほど推しに会っても穏やかな気持ちになっていた。どんなに好きでも「今日も尊いなあ」と感じながら、推しを目で軽く追うだけ。
すごく幸せな気持ちになって、練習場をあとにした。
その後、ジャニオタさんでいう『同担』のお友達と落ち合って、ご飯を食べた。他愛のない話をして、途中の駅でサヨナラした。心の中が幸せで満たされていたまま。
自宅に戻ってから、さっきアドレスを交換した人からメールが届いた。私がファンサービスを受けてた時の動画だった。そこには推しがうつっていて、相変わらず可愛かった。
会話の記憶。
手が触れたぬくもり。
優しい眼差し。
さっきの記憶を思い出す。ほんの十数秒の動画なのに。
何度かリピートする。
リピートされるたびに、ぽんと言葉が浮かんできちゃう。
「ますます好きになるじゃん」って。
ある人が、推しとの距離について「そんなに近かったらバグっちゃうよね」といった。
確かに推しのファンクラブに入ってて、特定会員だけのサービスを受けていると気づかないが、「そんなに近くていいの?」と思っちゃうことがしばしばだ。推しと一般人の距離なんて近いようで遠い。まだ実家@北海道と有名ローカルコンビニの方が距離が近いと思えちゃうくらいだ(※実家と某オレンジのコンビニとの距離は約2キロ)
そんなに近かったら、勘違いを起こしちゃうほどバグってしまう。
(死んでもその気はないけど。何せ既婚者なので)
だから、常に距離を保ちながら小さく息をする。
好きになる、というのに少しずつ自分の中で気づいてる。
会うたびに「好きになる」距離が近くなって、バグってしまうんじゃないかと思わせるから。
――だったら、好きでいさせてほしい。
誰かを思うことは平等で、他人からジャッジされることはない。
永遠の片想いをし続けるのはわかってるから、バグってしまわないように気持ちをキープしなきゃと思っている。