THE FIRST SLAMDUNKの感想※ネタバレあり
見てきました。映画スラムダンク。発表があってからずっと楽しみにしていました。対戦相手がどこかも明かされておらず、情報がとっても少なかったので期待感MAX。ワクワクしながら映画館へ。
結果、やはりメチャメチャ良かったです。試合のシーンも格好いいし、映画ならではのエピソードもあったし。でも、良かった一面ももちろんあるけれど、想像とかなり違う部分が多く、物議を醸しそうだなと思いました。ネットの感想は見ていないけど、おそらく悪い意見もあるんだろうな。それは理解できる部分もある。
※ここからネタバレあり※
今回の主人公は宮城リョータ。リョータの幼少時代、兄が亡くなったことでの母親の葛藤などがかなりの時間を割いて描かれている。
確かに、原作でリョータの過去に関してはほとんど描かれていない。なので、アナザーストーリー的にリョータに焦点が当てられたのは良かったなぁと思う。しかも、スラムダンクの中では家族愛のようなテーマはあまり取り扱われている印象がなく、話として本当に新鮮だった。オールコートプレスを崩すときに、母親が(綾子が)叫ぶシーンには鳥肌が立つくらい感動した。
そして、もう一人の主人公は沢北。湘北との試合ではすでに渡米を決めていた沢北だが、実は「アメリカに行く前に、自分に必要な経験をください」と神社でお願いしていた。結果として、「必要な経験」は敗北による挫折なのだが…
原作にはなかった湘北に負けて沢北が泣き崩れるシーンは、グッとくるものがあった。原作では、絶対王者が負けを知ることで新しいフェーズに突入するのか。さらに山王は強くなるのか。という非常にかっこいいシーンに写っていたが、沢北のエピソードがあるだけであのシーンの印象が変わった。沢北の初めての挫折。そしてそれを乗り越えて渡米してイキイキしている沢北が映されることで、沢北という人間が成長するための重要なターニングポイントとしての意味合いが強くなっていた。原作で読んでいたとき以上に、沢北に感情移入できるようになっていた。個人的に、この沢北へのフォーカスは好きだ。
最後に、試合について。期待通り山王戦で良かった。山王戦をアニメで見るのは、スラムダンクファンの誰もが夢見たことだったと思う。
しかも、昔のアニメとは技術が雲泥の差。迫力やスピード感は段違い。本当の試合を見ているような感覚に陥るくらい、本当に良かった。
だけど、アナザーストーリーがあったからなのか、名シーンのいくつかは流れるように過ぎ去ってしまった。三井の「この音が俺を甦らせる…」とか、好きなシーンだっただけにさらっと流れてしまって残念。
でも、見方を変えると、試合のスピード感やテンポを重要視していたのかなとも感じる。この近代のアニメの技術を活かして、迫力やスピード感のある試合を演出することに注力したのだと考えると、それはそれで好感が持てる。おそらく、この辺って相当製作陣も迷ったんじゃないか??
しかも、リョータがオールコートプレスを突破するところとか、流川と桜木のハイタッチとか、重要な場面はしっかり表現されていて、本当に感動した。あとは山王戦の最後の、原作だとセリフがないところを無音でスピードを上げて表現していたのは、本当に本当に最高だった…!無音が続いてからのハイタッチは、本当に鳥肌ものだった!!!
結論、物議は醸すだろうけど、とてもいい映画だったんじゃないかと思う。かなり力を入れて制作されたんだなというのが、伝わってきました。