【レビュー14】百年法
ある新種のウイルスによって不老不死を手に入れた世界が物語のベース。
政府は20歳を過ぎたものはそのウイルスの接種を希望者にのみ許し、そのウイルスを接種した者は、その時点から肉体的に老いることがなくなる。
併せて人口増加などの諸問題からウイルスの接種後100年の経過をもって、基本的人権を剥奪され、ターミナルセンターと称される施設によって自らの命を終わらせなくてはならない。
これがタイトルの「百年法」。
物語はこの百年法が初めて施行される前の年、2048年から始まる。
現実的にあり得そうな設定と、現在の政界を踏襲したような政治家たちのやり取りが読んでいて小気味よい。
また、百年法に該当し来年死を選ばなくてはならない者の心理描写もとても分かりやすく、ついつい世界に引き込まれてしまう。
近未来的な描写が世界観にリアリティを程よく与え、登場人物たちの出す結論がそれぞれに納得し得る小説でした。
下巻とあわせて1000ページぐらいあるので読み応えもあり!
時間をかけてWOWOWあたりでドラマ化しないかな。。