見出し画像

日本の空港の4レターコードの紹介

日本の各空港にも4レターコードと言われる「ICAO空港コード」が割り当てられています。主に航空管制や航空機の運行に関する業務で取り扱われるコードです。航空券の予約やグランドスタッフの皆さんが主に使う3レターコードと言われる「IATA空港コード」とは同時に使われることもありますが、比較的一般的にはマニアックなコードかもしれません。しかし、パイロットや航空管制官を目指す場合には必要なコードです。

今回は日本の4レターコードについて紹介します。
各空港の名称の一部から考えると覚えやすくなると思うので、今回はそれに従って覚え方を示します。

※軍民共用飛行場は表示し、軍専用基地は非表示
※AIS JAPANのNOTAM一覧に基づき表示

地方別に見ると統一性があり覚えやすくなるので個人的にはオススメです。

*ICAO:国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization)

*IATA:国際航空運送協会(International Air Transport Association)

↓3レターコードはこちら


4レターコードを学ぶ前に(各地方別コードの分類)

理解しやすくするために、まず各地方別のコードについて大まかに示します。

北海道・・・「RJC△」「RJE△」
東北・・・「RJS△」
関東甲信・・・「RJA△」「RJT△」
東海北陸・・・「RJN△」
近畿・中国・四国・・・「RJO△」「RJB△」
九州・・・「RJF△」「RJD△」「RJK△」
沖縄・・・「RO△□」

※ △・□にはそれぞれアルファベットが入る。

この区分の仕方について定かではないが、
「地方航空局組織規則(平成十三年国土交通省令第二十五号)」
によると下記の通り示されています。

第二款
新千歳空港事務所、仙台空港事務所、成田空港事務所、東京空港事務所、大阪空港事務所、福岡空港事務所、鹿児島空港事務所及び那覇空港事務所

鹿児島を除き、ここに示された各空港事務所には事項に示す主要空港が存在します。
事項に示す国内主要空港の4レターコード(那覇を除く)の下2桁のアルファベットが各地域の事務所管内における空港の3桁目に当てられています。
これらを踏まえると、より覚えやすくなります。


国内主要空港の4レターコード

羽田空港・・・RJTT
成田空港・・・RJAA
大阪国際空港(伊丹空港)・・・RJOO
関西国際空港・・・RJBB
中部国際空港(セントレア)・・・RJGG
新千歳空港・・・RJCC
福岡空港・・・RJFF
仙台空港・・・RJSS
那覇空港・・・ROAH

国内主要空港の4レターコードは基本的に「RJ」+「同じアルファベット2文字」です。那覇空港のみ「ROAH」と異なるので注意が必要です。


北海道の空港の4レターコード

稚内空港・・・RJCW
礼文空港・・・RJCR(現在供用休止中)
女満別空港・・・RJCM
中標津空港・・・RJCN
釧路空港・・・RJCK
帯広空港・・・RJCB
函館空港・・・RJCH
丘珠空港・・・RJCO
千歳航空基地・・・RJCJ
利尻空港・・・RJER
オホーツク紋別空港・・・RJEB
旭川空港・・・RJEC
奥尻空港・・・RJEO

北海道の空港の場合、「RJ」+「C」か「E」+「各空港の名称の一部のアルファベット」という構成です。
詳しく見ていきましょう。

稚内(WAKKANAI)の「W」→RJCW
礼文(REIBUN)の「R」→RJCR
女満別(MEMANBETSU)の「M」→RJCM
中標津(NAKASHIBETSU)の「N」→RJCN
釧路(KUSHIRO)の「K」→RJCK
帯広(OBIHIRO)の「B」→RJCB
丘珠(OKADAMA)の「O」→RJCO
函館(HAKODATE)の「H」→RJCH
利尻(RISHIRI)の「R」→RJER
紋別(MONBETSU)の「B」→RJEB
奥尻(OKUSHIRI)の「O」→RJEO

旭川空港と千歳基地については地名から考えることはできません。
特に旭川空港に関しては手っ取り早く「RJEC」と覚えてしまいましょう。
千歳基地に関しては自衛隊の航空基地です。なので無理やりですが、自衛隊(JIEITAI)の「J」→RJCJと考えるのが最適です。


東北地方(+新潟県)の空港の4レターコード

青森空港・・・RJSA
三沢空港・・・RJSM
大館能代空港・・・RJSR
秋田空港・・・RJSK
いわて花巻空港・・・RJSI
庄内空港・・・RJSY
山形空港・・・RJSC
福島空港・・・RJSF
新潟空港・・・RJSN
佐渡空港・・・RJSD

東北地方(+新潟県)の空港の場合、「RJ」+「S」+「各空港の名称の一部のアルファベット」という構成が基本です。
詳しく見ていきましょう。

青森(AOMORIの「A」→RJSA
三沢(MISAWA)の「M」→RJSM
大館能代(ODATE-NOSHIRO)の「R」→RJSR
秋田(AKITA)の「K」→RJSK
いわて花巻(IWATE-HANAMAKI)の「I」→RJSI
庄内(SYONAI)の「Y」→RJSY
福島(FUKUSHIMA)の「F」→RJSF
新潟(NIIGATA)の「N」→RJSN
佐渡(SADO)の「D」→RJSD

山形空港に関しては地名で考えることができません。
さくらんぼが特産品ですので、さくらんぼの"cherry"の「C」を取って、
「RJSC」と覚えてしまいましょう!


関東甲信地方の空港の4レターコード

松本空港・・・RJAF
茨城空港(百里基地)・・・RJAH
新島空港・・・RJAN
神津島空港・・・RJAZ
東京ヘリポート・・・RJTI
調布空港・・・RJTF
大島空港・・・RJTO
三宅島空港・・・RJTQ
八丈島空港・・・RJTH
横田基地・・・RJTY

関東甲信地方の空港の場合、「RJ」+「A」か「T」+「各空港の名称の一部のアルファベット」という構成です。東京都に属する空港は「RJT△」、それ以外の地域が「RJA△」となっています。東京(Tokyo)の「T」と覚えると早いです。
詳しく見ていきましょう。

百里(HYAKURI)の「H」→RJAH
新島(NIIJIMA)の「N」→RJAN
神津島(KOUZUSHIMA)の「Z」→RJAZ
調布(CHOFU)の「F」→RJTF
大島(OSHIMA)の「O」→RJTO
八丈島(HACHIJYOJIMA)の「H」→RJTH
横田(YOKOTA)の「Y」→RJTY

松本空港、東京ヘリポート、三宅島空港は地名から考えることは難しいので、そのまま覚えましょう。
離島の空港は余裕があれば覚えてみましょう。


北陸・東海地方の空港の4レターコード

富山空港・・・RJNT
能登空港(輪島)・・・RJNW
小松空港・・・RJNK
福井空港・・・RJNF
静岡空港・・・RJNS
名古屋空港(小牧)・・・RJNA

北陸・東海地方の空港の場合、「RJ」+「N」+「各空港の名称の一部のアルファベット」という構成です。
詳しく見ていきましょう。

富山(TOYAMA)の「T」→RJNT
輪島(WAJIMA)の「W」→RJNW
小松(KOMATSU)の「K」→RJNK
福井(FUKUI)の「F」→RJNF
静岡(SHIZUOKA)の「S」→RJNS
名古屋(NAGOYA)の「A」→RJNA

全て地名から考えることができるので一番覚えやすい地域だと思います。

※能登空港は輪島市、穴水町、能登町にまたがり設置されているため、輪島空港や穴水空港と言われることも地元ではあります。その中でも朝市で有名な輪島から考えるとすんなりと理解できると思います。


近畿地方の空港の4レターコード

八尾空港・・・RJOY
神戸空港・・・RJBE
南紀白浜空港・・・RJBD
コウノトリ但馬空港・・・RJBT

近畿地方の空港の場合、「RJ」+「O」か「B」+「各空港の名称の一部のアルファベット」という構成です。大阪府に属する空港 (関空は除く) は「RJO△」、それ以外の地域が「RJB△」となっています。大阪(Osaka)の「O」と覚えると早いです。
詳しく見ていきましょう。

八尾(YAO)の「Y」→RJOY
但馬(TAJIMA)の「T」→RJBT

神戸空港と南紀白浜空港に関しては、地名から考えることが難しいのでそのまま覚えてください!


中国地方の空港の4レターコード

鳥取空港・・・RJOR
米子空港(美保基地)・・・RJOH
出雲空港・・・RJOC
石見空港・・・RJOW
岡山空港・・・RJOB
広島空港・・・RJOA
岩国空港・・・RJOI
隠岐空港・・・RJNO
山口宇部空港・・・RJDC
岡南飛行場・・・RJBK

中国地方の空港の場合、「RJ」+「O」か「B」か「D」か「N」+「各空港の名称の一部のアルファベット」という構成です。ほとんどの空港は「RJO△」となるので覚えやすいですが......
詳しく見ていきましょう。

美保(MIHO)の「H」→RJOH
石見(IWAMI)の「W」→RJOW
岩国(IWAKUNI)の「I」→RJOI
隠岐(OKI)の「O」→RJNO
岡南(KOHNAN)の「K」→RJBK

上記の通り、半数の空港しか地名で考えることはできません(涙)
私自身も、この中国エリアの空港を覚えるのが苦手です(笑)
広島空港と岡山空港は旅客数の比較から、広島空港のほうが多いので「A」、次いで岡山空港「B」と考えてみてください。
鳥取空港、出雲空港、山口宇部空港はそのまま覚えるのが早いです。

※岡南飛行場は曲技飛行で有名なウイスキーパパの本拠地です。


四国地方の空港の4レターコード

高松空港・・・RJOT
徳島空港・・・RJOS
松山空港・・・RJOM
高知空港・・・RJOK

四国地方の空港の場合、「RJ」+「O」+「各空港の名称の一部のアルファベット」という構成です。
詳しく見ていきましょう。

高松(TAKAMATSU)の「T」→RJOT
徳島(TOKUSHIMA)の「S」→RJOS
松山(MATSUYAMA)の「M」→RJOM
高知(KOCHI)の「K」→RJOK

全て地名から考えることができますね!


九州地方の空港の4レターコード

北九州空港・・・RJFR
長崎空港・・・RJFU
五島福江空港・・・RJFE
佐賀空港・・・RJFS
熊本空港・・・RJFT
大分空港・・・RJFO
宮崎空港・・・RJFM
鹿児島空港・・・RJFK
種子島空港・・・RJFG
屋久島空港・・・RJFC
天草空港・・・RJDA
対馬空港・・・RJDT
壱岐空港・・・RJDB
小値賀空港・・・RJDO
上五島空港・・・RJDK
喜界空港・・・RJKI
奄美空港・・・RJKA
徳之島空港・・・RJKN
沖永良部空港・・・RJKB

九州地方の空港の場合、「RJ」+「F」か「D」か「K」+「各空港の名称の一部のアルファベット」という構成です。九州本土の空港は「RJF△」、東シナ海・日本海側の離島は「RJD△」、鹿児島以南の太平洋側の離島は「RJK△」(鹿児島県に属するのでK)と分類できます。
詳しく見ていきましょう。

五島福江(GOTO-FUKUE)の「E」→RJFE
佐賀(SAGA)の「S」→RJFS
熊本(KUMAMOTO)の「T」→RJFT
大分(OITA)の「O」→RJFO
宮崎(MIYAZAKI)の「M」→RJFM
鹿児島(KAGOSHIMA)の「K」→RJFK
種子島(TANEGASHIMA)の「G」→RJFG
天草(AMAKUSA)の「A」→RJDA
対馬(TSUSHIMA)の「T」→RJDT
小値賀(OJIKA)の「O」→RJDO
上五島(KAMI-GOTO)の「K」→RJDK
喜界(KIKAI)の「W」→RJKI
奄美(AMAMI)の「A」→RJKA
徳之島(TOKUNOSHIMA)の「N」→RJKN
沖永良部(OKIERABU)の「B」→RJKB

離島が多いので大変です(汗)
ただ、離島は就航便も少なく、中には定期便の運用がない空港もありますので、本土を中心に覚えてください。必要な人や余裕のある人は離島にも挑戦してみてください。
北九州空港、長崎空港、屋久島空港、壱岐空港はそのまま覚えてください。


沖縄地方の空港の4レターコード

与論空港・・・RORY
伊江島空港・・・RORE
粟国空港・・・RORA
北大東空港・・・RORK
下地島空港・・・RORA
多良間空港・・・RORT
波照間空港・・・RORH
久米島空港・・・ROKJ
慶良間空港・・・ROKR
南大東空港・・・ROMD
宮古空港・・・ROMY
石垣空港・・・ROIG
与那国空港・・・ROYN
嘉手納基地・・・RODN

沖縄地方の空港は注意が必要です。
本州の空港は「RJ」から始まりますが、沖縄は「RO」になっています。
沖縄(OKINAWA)の「O」と理解するとスムーズです。
約半数の空港は「ROR△」ですが、異なる空港もあるので注意が必要です。
詳しく見ていきましょう。

与論(YORON)の「Y」→RORY
伊江島(IEJIMA)の「E」→RORE
粟国(AGUNI)の「A」→RORA
北大東(KITA-DAITO)の「K」→RORK
下地島(SHIMOJISHIMA)の「S」→RORS
多良間(TARAMA)の「T」→RORT
波照間(HATERUMA)の「H」→RORH
久米島(KUMEJIMA)の「K 」「J」→ROKJ
慶良間(KERAMA)の「K」「R」→ROKR
南大東(MINAMI-DAITO)の「M」「D」→ROMD
宮古(MIYAKO)の「M」「Y」→ROMY
石垣(ISHIGAKI)の「I」「G」→ROIG
与那国(YONAGUNI)の「Y」「N」→ROYN
嘉手納(KADENA)の「D」「N」→RODN

空港数は多いですが、全て地名で考えられるので覚えやすいです。
沖縄は那覇空港を中心に定期便がある空港から覚えるといいと思います。


4桁で覚えると早い空港

旭川空港・・・RJEC
山形空港・・・RJSC
松本空港・・・RJAF
東京ヘリポート・・・RJTI
三宅島空港・・・RJTQ
神戸空港・・・RJBE
南紀白浜空港・・・RJBD
鳥取空港・・・RJOR
出雲空港・・・RJOC
山口宇部空港・・・RJDC
北九州空港・・・RJFR
長崎空港・・・RJFU
屋久島空港・・・RJFC
壱岐空港・・・RJDB

ここに掲載していない空港は、地名と地方の組み合わせで考えることができます。


まとめ

今回は日本国内の空港の4レターコードを紹介しました。
自分なりの覚えやすいやり方で覚えてみてください!
航空業界を目指している方や、飛行機・空港に興味がある方は覚えてみてください。
なかなか覚えにくいですが、反復していると慣れてきます。

グランドスタッフ(GS)やキャビンアテンダント(CA)
を目指している皆さんは、この4レターコード(ICAOコード)よりも、
3レターコード(IATAコード)を先に覚えてください。

3レターコードは後ほど紹介できれば紹介します。


最後までお読みいただきありがとうございました😉

☆当記事で紹介した分類は、理解をしやすくするために筆者が独自に分類したものです。実際の運用とは異なる点がありますので注意してください。



いいなと思ったら応援しよう!