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やる気の出どころ
昨日、娘に謝られてしまった。
「ごめんね、何にも役に立たなくて。呆れちゃうでしょ。」そう言われた。
どうしたものかな、と思う。
不登校で苦しんだ中学校の時からずっと君は頑張り続けていたから、たまには人生の夏休みだと思ってのんびりするといいよ。そう話しても「休み方がわからない。」そうなのだ。
いつも「何かしなくては」「きちんとしなくては」という気持ちに追い立てられている。それなのに動けない自分が嫌いになる、という。
「今のわたしにはね、“やる気”ってドラゴンとかペガサスと同じようなものなの。名前はあっても存在しない、みたいな。」
例え方がゲーマーらしくていいね、とか言っている場合ではなく、完全にエネルギーが枯渇しているらしい。
経験から考えるに、やる気というのは起こそうと思って起きるものではない。ポチッとすればやる気が出るような、そんなスイッチなど人間にはついていない、そう思う。
やる気というのはいつ起きるのか。
それは多分、興味が湧いてワクワクしたり、期待感が高まったり、それやらないと死ぬ!という危機感に迫られたとき、のいずれかだろう。
そういえば娘の食欲が落ちた時に、無理に食べさせずに少し放っておいてみた。するとある日、朝昼晩と料理を作るという偉業を成し遂げた。しかもそれを数日続けた。「極限までお腹が空いたら、無性に自分が食べたいものを作りたくなっちゃった。」そう言って、モリモリ作ってワシャワシャ食べていた。
「人間危ないって思うと、案外動けるものだね。」と感心していると、ハッとした様子で娘が「この作戦を使えば、仕事に復帰できるかもしれない。」という。何のこっちゃと思ったら、「貯金を使い切ってしまえばいいのかもしれない。」と真面目な顔で言う。
さすがに貯金を使い切ってしまうのは危険かもしれない、と言おうかと思ったけれども、もういい大人なのでやめた。実家にいるから飢えることはないし、本人の思うようにさせよう。
本当は切羽詰まって何かを始めるより、何か興味を持てることやワクワクするものを見つけられたらいいのだけれど、と思うけれども、今はそこまでは難しいのかな。
私の好きな為末大さんが、「努力はワクワクに勝てない」と本に書いていらっしゃった。自分の人生の中でピアノでもスポーツでも、その言葉を実感することは多かった。
仕事でそれを見つけるのは難しいとしても、何か人生で少しでもワクワクするものを見つけてほしいなぁと願う。
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