蛇 長すぎる〜仏詩人ジュール・ルナールに挑戦してみた件
娘たちは、土曜日、日本語補修校の授業を受けている。イギリスはロックダウン中、未だにオンライン授業である。
五年生の娘は、今週「詩」の鑑賞をしていた。「生活の中で詩を楽しもう」という題材で、まど・みちおさんの「するめ」、寺山修司さんの「一ばんみじかい抒情詩」、三好達治さんの「土」などが、リストアップされていて、詩の感想を話しあったり、その詩からイメージする絵を描いてみたりした。
その中で、うちの娘が選んだお気に入りの詩は、フランス人詩人ジュール・ルナールさんの「蛇」(岸田国士訳)。
「蛇」
ながすぎる。
(原文:英語:Too long/仏語:Trop long)
娘は、難解な詩が多い中、短くてわかりやすい、この詩を気に入った。私は、「ひねりが無さすぎやしないか?」と思い、ジュール・ルナールさんの他の作品が気になってしまった。
青空文庫で「博物誌(原題:HISTOIRES NATURELLES)」を読むことができる。蛇の他にも、さまざな生き物に関する詩があった。つぎの二作は、娘もなんとか理解して気に入ったもの。娘曰く、蟻は、「8」の方がいいとのこと。
「蝶(ちょう)」(ジュール・ルナール作)
二つ折りの恋文が、花の番地を捜している。
「蟻(あり)」(ジュール・ルナール作)
一匹一匹が、3という数字に似ている。
それも、いること、いること!
どれくらいかというと、333333333333……ああ、きりがない。
娘たちと散歩に出かけたとき、目に見えた生き物をお題に、詩を作ってみた。
「カモメ」(娘作)
人が捨てた、パンやフライドポテトを食べないで。
「猫」(娘作)
猫はかわいい。自分のお尻を舐めるけど。 そして、猫はよく寝る。ずっと寝てる。でも私たちを幸せにしてくれる。
ジュール・ルナールさんは、さすが詩人というだけあって、観察眼も想像力も表現力も素晴らしい。子どもたちも挑戦してみたが、難しがっていた。ただ、詩を作ってみようという気持ちで、観察してみると、ちょっとだけ違う世界が見えてくるから面白い。
引用: 青空文庫「博物誌(原題:HISTOIRES NATURELLES)より