電気羊。
今の会社に入ってから、否、コロナ禍と言われるような期間に入ってから完全に夜型の人間になっている。
以前は朝日とともに、出社していたが今は太陽が真上にある頃に起きている。
『いつからだろう。』と考えると、ある日を境に急にそうなったのか、はたまた、じわじわと寝る時間、起きる時間が遅くなったのか分からない。
それが単なる生活習慣の変化なのか。
もしかしたら、以前の僕とは全く違う人間になっているのかもしれない。
数年間で体の細胞は全て入れ替わる。
というのは聞いたことがあると思う。
徐々に変化しているから気づかないだけで
産まれたばかりの「僕」と、今の「僕」と、数年後の「僕」。
同じ細胞が1つも無くなった時、何をもって「僕」というのだろうか。
話は現実的ではなくなるが
誰も、自分自身でも気づいていないだけで、「僕」と同じ感情、自我、記憶を持ったアンドロイドにすり替わっていたら。
実は「僕」は雷に打たれ死んでいて、たまたま雷と近くの物との化学変化で原子レベルで僕と同じ「モノ」が生まれていたら。
その「アンドロイド」は。「モノ」は。
「僕」なのか。
そもそもこの文章を書きはじめたのは
本当に「僕」なのか。
自分自身のことも、世界のことも、明日のことも分からないまま
今日「僕」は電気羊の夢を見る。