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「傲慢と善良」by 辻村深月
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自分が買ったこの文庫本の帯には累計67万部突破と書かれているが、今のものは上記の通り累計100万部突破と出ている。いずれにしてもベストセラーというのは間違いない。これまで辻村さんの作品はあまり読んだことがなかったが、最近直木賞の選考委員に選ばれたことからも実力派の一人であることは明白だと思う。
この本は、30代男女の婚活が一つのテーマだと思うが、それは飽くまで設定の1つであって、真のテーマは今の若い男女の生き方や考え方について考察していることではないかと感じた。主人公の男性は自分にとっての人生のパートナーとは何かを探り出すストーリーで、もう一人の主人公の女性は自分自身の生き方を自ら決定する自立の旅のストーリーではないかと思った。自分にも30代の娘がおり、婚活にもいろいろ苦労していたこともあり、この本を親近感をもって読んだ。
今月この小説を映画化されたものが上映を開始するが、小説における重厚さは多分映像では表現しきれないのではないかという気がするが、娯楽として観てみようかと思っている。
小説としては、さすがにヒットするだけの内容であった。5/5です。