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「トッカン 特別国税徴収官」by 高殿 円
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以前同じ作者のデパートの外商を扱った「上流階級 富久丸百貨店外商部」4部作を読んで、作者のファンになったこともあり、今回国税の徴収官を扱った「トッカン」4部作を購入した。
今日までに、「トッカン 特別国税徴収官」「トッカン VS 勤労商工会」「トッカン the 3rd おばけなんていないさ」の3冊を読み終えたので、感想を書いておく。
主人公は、特別国税徴収官の補助を行っている新人の女性徴収官で、上司に何か言われると「ぐー...」と言い淀むことから「ぐー子」と呼ばれている。その彼女が厳しい上司に鍛えられながら、徐々に成長していく過程がこの本の魅力で面白い。
併せて、お仕事小説のため、国税を滞納した場合の徴収の仕方や徴収官の仕事の中身等、あまり知らない税務署の内部がよく理解できる。
昔勤めていた会社で、大阪国税局の調査を何年かに亘って受けたことがある。今はそういうことはしないらしいが、その時は調査官に机を叩かれて脅されたことがあり、また自分の机の中身を全部持っていかれたことがあった。
国際関係の仕事をしていて、ちょうど移転価格税制が言われ出したころで、そのあたりを盛んに調べていた。大阪国税局の調査は東京に比べて厳しいと言われていた。なぜなら東京国税局は東京に本社がある大きな会社がいくつもあるが、大阪国税局の担当の大阪に本社がある会社が、どんどん東京に本社を移して、大阪には大きな会社があまり多くなくなったので、取れる所からなんとしても取ろうとするので、厳しくなるとのこと。
もう10年以上も前に発行された文庫本だけれど、面白さはしっかり伝わったので、評価は5/5です。残り1冊も続けて読むつもり。