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「対馬の海に沈む」by 窪田新之助
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本の帯にあるように今年の開高健ノンフィクション賞受賞作とのことである。こういう不正事件もあったのかと驚くと共に、真因は暗い闇だったことがわかる。
JA対馬で、共済事業での商品を販売する「ライフ・アドバイザー(LA)」であった西山が、死亡(自殺ではないかと言われている)した後、発覚した彼の不正事件を取り扱った本である。
対馬という長崎県の小さな島のLAである西山が、JAの全国トップクラスの成績を収めたのは、西山個人の犯罪でもあるが、同時に彼の犯罪で得をする人間たちがいたことが犯罪の発覚を遅らせ、結果的には巨額の損失を与えることになったということである。
不正の真実として、大規模になればなるほど組織的な欠陥が主因で、それを周りが見て見ぬふりをしているということが言える。最近の大企業の品質問題の不正も同じことが言える。
いろいろ考えさせられて、ヒリヒリする内容の本だった。評価は、5/5です。