「地銀と中小企業の運命」by 橋本卓典
現在経営が厳しいと言われている地方の金融機関が今後生き残るにはどうすればいいのかという観点から、具体的な事例を示しながら様々なアイデアを紹介している。
そういう厳しい状況にあって、若手行員の多くが辞めているということからも、経営戦略を抜本的に再構築しなければならないということである。
これまでの銀行は予算目標達成のため、自社目線での営業スタイルであったが、金融商品において他行との差別化が難しいことを考えれば、顧客目線で
顧客の問題やニーズを解決するスタイルの営業戦略が必要であるという筆者の主張はもっともだと思う。
また、行員の退職を減らし、活力のある銀行を作っていくためには、行員それぞれが、「オモロイ」と思うような活動や仕事ができる体制も構築する必要があると筆者は述べており、これも同意できる。
最後に、この本で金融庁が作成した「業種別支援の着眼点」(試行版)を紹介されており、その存在そのものを知らなかったので、得をした気がした。
評価は、5/5です。