「まいまいつぶろ」by 村木 嵐
歩いた後に尿を引きずった跡が残り、それがかたつむりの形をしていたため、まいまいつぶろと呼ばれていた9代将軍徳川家重とその聞き取れない言葉を唯一聞き取ったとされる大岡忠光が主人公の物語である。
家重の様子は今春NHKのドラマ大奥でも三浦透子が演じていたので、記憶に新しい。大岡忠光が現れるまで、思うように自分の気持ちを自分の言葉で伝えられていなかった家重の苦労や、彼を将軍にすべきか、それとも出来の良い弟を将軍にすべきか悩む父親の吉宗等、その時代の様子を創造しながら物語として楽しむことができた。
こういう時代劇も良いものだと思った。評価は、5/5です。