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「キーエンス解剖」by 西岡 杏
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今や高収益、社員の高額年収で有名なキーエンスは、どのようにして高収入を稼いでいるのか興味があるビジネスパーソンがこの本を手に取るのかもしれない。その結果、現在ベストセラーになっている。
売上総利益率が8割、営業利益率が55%と驚異的な数字を叩き出しているが、販売、商品開発等のキーエンスならではの特徴が具体的に説明されており、「基本的なことを徹底的に、仕組み・システムとして確立して、それを愚直そして確実に実行する」というのが、さすがだと思った。
例えば、営業活動はSFAを使いながら、その活動をきちんと記録する、そうして集められた情報を分析し個々の営業活動に活かすことを徹底し、営業活動の俗人化を排除する。「行動していたとしても書かなければやっていないと同じ」という考え方を浸透させているのはさすがだと思う。
自分の会社もSFAを導入しているが、なかなか記載の徹底ができていないことと、得られた情報を営業活動に活かすようなフィードバックがなかなかできていないので、この本を読みながらいろいろ参考になった。
この本を読む前は、キーエンスを讃えるような本なのかなあと思っていたが、もちろん多少そういう面はあるものの、出来る限り成功のカギを見つけようという姿勢で書かれていて、参考になるものの考え方ややり方が書かれている。
なかなか面白かったので、評価は5/5です。