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「中流危機」by NHKスペシャル取材班

この本は、日本の失われた30年の原因とその対策について考察した内容となっている。

中流階層の世帯所得が大きく減少している現状とその原因のひとつである非正規社員の拡大の歴史と実態について解説している。その対策としては、リスキリングと同一労働同一賃金の徹底を訴えている。また、その2つの対策を既に積極的に採用して成果を上げているドイツとオランダの現状を紹介している。

最近の日経ビジネスで、リスキリングに関する誤解について特集が組まれていたが、今や日本の社会人は先進国でも低学歴の部類に入り、且つ新たな知識や技術を身に付けようとしない人間になったと言われている。

失われた30年という負のスパイラルから脱して、高齢社会というハンデキャップはあるものの、また勝手のような輝きを取り戻すためには、官民挙げて本気で構造的、意識的改革が必要だと思う。

本の評価は、考察がもう少し欲しいという意味で、4.5/5にします。

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