"あなたらしい"を求めて エンゼルケアを知っていますか？
「エンゼルケア」
という言葉をご存知でしょうか？
耳馴染みが無い方も多いかもしれませんが、
これは葬祭業界ではよく知られている言葉です。
エンゼルケアとは、
ご逝去された故人様に行う、死後の処置やメイクなど
全てを総合してそう呼ばれます。
エンゼルケアは、何のためにどんな事をするのか、
今回はそんなエンゼルケアの事についてお話します。
なぜエンゼルケアが必要なのか
人の死は、突然、いろいろな形で訪れます。
闘病の末に病気で亡くなられる方もいれば、
事故などに巻き込まれて元気な状態で突然亡くなられる方も。
その亡くなり方は、故人様の状態に変化をもたらすこともあります。
そして、亡くなってから処置までの時間経過でもまた
故人様の見た目が大きく変化してしまう事もあるのです。
夏場は暑さでより変化が大きくなったり、
亡くなった場所も、屋内なのか屋外なのかでまた変わります。
亡くなった方にはドライアイスを当てるというイメージが
最も強いかと思いますが、
それも故人様の状態をお守りするため。
しかしそれだけではなく、生きている私たちと同じように、
乾燥を防ぐためのスキンケアが必要だったり、
髭剃りやメイクをしてあげたりすることも
故人様の状態を守るために必要だったりします。
そしてこのケアは故人様を守るためだけではありません。
病気やケガなどで体を損傷していたり、
元気な頃と見た目が大きく変わってしまった状態から、
生前の故人様らしい状態に近づけることにより、
ご家族の気持ちを軽くすることもできるのです。
あまりに見た目が変わっている場合、
ご家族様の心には、楽しかった思い出以上に鮮明な傷を残してしまう
という事があります。
エンゼルケアは、そんなご家族様の心もお守りする処置なのです。
昔は湯灌（ゆかん）が主流だった
昔は、故人様のお体をお湯で奇麗にする "湯灌（ゆかん）" が
行われていました。
最近でも、ご家族様のご希望があれば湯灌が行われますが、
かなり少なくなりました。
今は脱脂綿で体を奇麗に拭く "清拭（せいしき）" が主流です。
病院で亡くなる方の多くは、看護師さんによって清拭が行われ、
肌の保湿やメイクまで行われることもあります。
事故など、病気以外で亡くなられた場合は
ほとんどの場合、故人様は警察署に送られるため清拭はされません。
その際には、葬儀社が清拭から保湿、メイクなども行います。
ラストメイクのプロを呼ぶことも
亡くなられた故人様は、当然ながら肌の回復機能や保湿機能といった
細胞分裂や再生機能も止まってしまいます。
亡くなられてからの経過時間次第では、
保湿やメイクがかなり難しく技術が必要な場合もあります。
そんな時は、専門のメイクさんをお呼びすることもあります。
ラストメイク専門のメイクさんは、お体を柔らかくほぐすコツや
お体の修復、生前の様子に近づける技術もたくさん持っています。
故人様の口を閉じて欲しい、少しでもふっくらした状態に戻したい
そんなリクエストにも応える技術を持ち合わせています。
ご家族のご希望でプロを付ける事も可能なので、
ご希望がある方は葬儀屋さんに相談してみると良いかもしれません。
"エンバーミング"との違い
エンゼルケアと似た処置で、 エンバーミング というものがあります。
エンバーミングとは、故人様の保存や防腐、殺菌、修復処理を目的とした
処置のことを言い、
専門的な資格と技術を有するエンバーマーだけが行える処置です。
遺体衛生保全 ともいいます。
このエンバーミングも故人様の顔や体をきれいにする死後処置
という点はエンゼルケアと同じです。
違う点としては、エンゼルケアは主に表面をきれいに整える処置ですが、
エンバーミングは故人様の長期保存や腐敗の防止、殺菌など
体内にまで及ぶ処置を行います。
一般的な状態の故人様の場合は、エンバーミングまで必要とすることは
ほとんどありません。
"会わせない"というエンゼルケア
前述の通り、エンゼルケアは故人様の為だけではなく、
遺されたご家族の心をお守りするものでもあります。
その意味で、葬儀担当者の判断により
ご家族様の最期のご面会をお断りする場合があります。
人間は生き物であり、
経過時間によっては、ご家族様ではとても見るに堪えない
という状態になってしまう事も中にはあります。
その状態の故人様に会ったご家族様が、立ち直れなくなってしまったら。
葬儀社は、ご葬儀のお手伝いだけが仕事ではありません。
遺されたご家族様がその後少しでも前を向いて歩いて行ける、
僅かでもそのお手伝いが出来るように寄り添うのも葬儀社の役割だと
ＳＫＫは考えます。
エンゼルケアの役割、少しでもご理解いただけたでしょうか？
もちろん、複雑な処置が必要のない故人様も多いです。
故人様をより奇麗にする処置だけの場合がほとんどです。
ただ、突然の死、お子様の死、お体の破損など
ご家族様の心の傷が深くなりそうなとき、
その傷を少しでも浅くするために
エンゼルケアを活用されてはいかがでしょうか？
ほとんどの葬儀社は、ご家族様を支えたいと願っています。
苦しいときは、少しでも頼ってくださいね！