コルセットダイエットの疑問を解明!専門の先生に聞いた呼吸でくびれを作る!
数年前から、SNSで緩やかに盛り上がりを見せていたコルセットダイエット。
みなさんはご存知or試したことはありますか?
運動を全くせず、食事制限もせず、着用しているだけで綺麗なくびれ、バストアップが狙えるなんて夢のようなダイエット法があったら、みなさん試してみたくなりますよね!
しかし、簡単と言われているダイエットにはリスクが伴う危険性も…。
今回は噂になっているコルセットダイエットが、本当に夢のように全てを叶えてくれるダイエット法なのかを調べてみました!
そもそもコルセットダイエットってどういうもの?
コルセットダイエットとは、腰痛用の伸縮性のあるコルセットとは別に、昔の女性がドレスの下に装着していたような、体型を綺麗に見せるためのハードなコルセットを、痩せるためにつけるダイエット方法です。
コルセットは、16世紀頃には存在しており、当時はお尻までぴったりと装着するボディスーツのようなものだったそう。
19世期頃には一般普及され始め、当初は上流階級の女性がつけるとされていたものが、さまざまな価格で手に入るようになり、次第に中流・労働者階級の女性も着用するようになってきました。
しかしその頃、それが女性の健康に悪影響を及ぼしているのでは、という議論が活発化。
コルセットが、呼吸器疾患や肋骨の変形、内蔵の損傷、出生異常、流産の原因になると指摘する医師が出現したのです。
一方で、体を締め付けるのではなく腰痛などをサポートするようなコルセットや、健康を目的としたコルセットは容認する人もいました。
その後、1920年代に入り、伸縮素材がコルセットに取り入れられるようになってからは、アクティブな生活をする女性のために柔軟性に優れたスポーツタイプのコルセットなどが登場したそう。
コルセットは、ガードルやブラジャーと同様に体の形を整えたりサポートするためのものとして必要だ!と謳った広告まであったのです。
コルセットにはこのような歴史があったのですね。
1日に3~6時間装着するだけで、ウエストがくびれてくるとSNSでも話題になっていたコルセットは、それこそ19世紀初頭に物議を醸した旧型のコルセットです。伸縮性があるものではありません。
コルセットダイエットは、コルセットで肋骨や内臓をギューッと締め付け、半ば無理やりくびれを作り上げていくことになります。
このダイエット法で期待できると言われている効果は、
①ウエストがくびれる。肋骨を締めて形状記憶させるのが目的
②姿勢がよくなる。コルセットを装着すると、屈みづらくなるので必然的に背筋がピンと伸び、美しい姿勢に見える。
③バストアップ効果。肋骨を締めることで、垂れ下がってしまったバストを本来の位置に戻せる。
④お腹いっぱいまで食べることが出来ないので、食欲が抑えられる。
とのこと。
実はライターの私も、2年ほど前に試していました。
当時留学していた私は、ジャンキーフードばかりの生活で+7kgも太ってしまったんです…。
帰国を前にして焦った私は、食事制限によるダイエットを始めました。
(りんごばっかり齧ってた😂)
そしたら胸から痩せてしまって、バストをキープしながらさせられないかな〜と探していた時にコルセットダイエットを見つけました。
その記事を見つけた次の日にはコルセット売っているお店へ急いだのをよく覚えています。
確かにつけている間は、夢みたいに綺麗なウエストラインになりますが、如何せん苦しい!しゃがめない!お辞儀が出来ない!
それでも綺麗になるためには仕方ない、と我慢して授業を受けている時間は帰国してからも毎日つけていました。
ところがある時から外して眠ろうとするとまっすぐ仰向けで寝づらいなあと感じ出してからはつける頻度を減らしたのですが、慢性的な腰痛を患うことになってしまいました……。
コルセットを付けていてくびれができた以前に腰が痛くなった、なんてのは聞いてないぞ!!と焦り半泣き状態でした😭
元々側弯症+反り腰だった私にはコルセットダイエットは向いていないのでは、と疑問に思い、調べてみることにしました。
すると、私以外に健康被害を訴える方や、コルセットダイエットに関してあまり語られて来なかったデメリットや新事実などが次々と出てきました…。
コルセットダイエットの謎①本来の姿勢もよくなるの?
ボーンの固いコルセットを装着して生活をしていると、逆に姿勢を悪くすることが出来なくなるので、自然と姿勢がよくなったように見えます。
が、これは外した時も綺麗な姿勢が癖づくものなのでしょうか。
今回、コルセットと筋肉の関係性を柔道整復師の山口透先生に詳しくお話を伺いました!
まず、筋肉は骨の周りについています。
手羽先や、ケンタッキーの肉などをイメージしてみてください。
筋肉の主な作用は、伸び縮みをすることによって血流を送る働きをもっています。
それ対し、コルセットを装着することによって筋肉は動きづらくなりますよね。
伸び縮みを妨げられるということは血流が滞るため「凝り」が発生します。
また、血流は酸素や栄養素、熱を身体全体に運ぶ働きも兼ね備えているため、凝りが強くなっていってしまうと末端の冷えを生むことにも繋がってしまうんです。
女性の冷えは大敵ですよね😭
腰付近に着いている筋肉は、お辞儀や上半身を捻る動作、もしくは姿勢の維持などにも働きを持ちます。
その筋肉の活動により内臓への血流を促すため、そこの筋肉がコルセットを装着し続けた結果生まれた凝りにより硬くなってしまうと、腸内循環の妨げにも繋がり、便秘などにもなってしまうんだとか……。
つまり、コルセットなどで骨を固定してしまうことによって筋肉は伸び縮みしづらくなってしまい、結果体の循環がかなり悪くなるため様々な弊害が生まれてくるんですね。
しかし、腰の悪い方には逆にコルセットをつけた生活が必要不可欠。
辛い動作がある時にはコルセットを装着して動いた方がいいそう。
自分の中で可能な動きと、不可能な動きを理解することが、コルセットを使わずに自分の筋肉で身体を支える根本的解決になっていくんだそうです。
コルセットダイエットの適性時間と言われている約6時間、たった6時間といえど、私たちの体や筋肉はとめどなく動いています。
その6時間、筋肉を固定してしまい使わない日々が続くと、そこの筋肉はどんどん衰えていってしまいます。
結果、コルセットをつけている間は強制的に姿勢がよくなっているのですが、外して生活をしてくようになった時には筋肉が衰えてしまって綺麗な姿勢が保ちづらくなってしまう可能性も。
それでは元も子も無い気がしませんか?
コルセットダイエットの謎②相対的に見てダイエットに向いてるの?
今回この記事では、ダイエットや美容目的にコルセットを長時間使うことに対しての疑問を取り上げていますが、山口先生の見解をお聞きしたところ……
固定し続けるということは、メリットとして形状記憶を生むことを期待出来る反面、先ほど前述した通り、強制的に骨格を固定し筋肉の活動現象に伴う血流不足や、その他弊害の関連症状が見受けられます。
状況や生活リズムに合わせてつける時間とつけない時間を分けて作ることが大切である、とおっしゃっていました。
着用する時間と、そうで無い時間の管理がきっちり出来るひとならば、コルセットを装着した形状記憶による痩身は期待できる可能性が見込めるんだとか。
とは言え、肋骨はとても動きやすい骨です。
数ヶ月の締め付けで動くんですから、逆も然りですよね。
定期的につけている期間を設けなければ意味が無くなってしまいます。
また、コルセットダイエットはしない方が良い方も存在します。
・下肢に痺れを伴う症状のある方
・妊活をされている方、妊婦
・末端冷え性の方
・脊椎事態に問題のある方(ex:側湾症など)
・反り腰気味の方
・日常的に動きが少ない、一定の姿勢を取り続ける方
(ex:デスクワーク、受付などの立ち仕事)
→固定している分、血流が悪いため
上記に当てはまるものがある方は、コルセットを長時間着用するこのダイエット方法によって、健康を損なう恐れがあるのでなるべく避けた方が無難かもしれません……。
また、食欲を抑えられるとのことですが、着用している間は締め付けられているのでたくさんは食べられませんよね。
しかし、外してしまえばいつも通り、それどころか反動で食べすぎてしまうという声もちらほら。
つけているだけで痩せるという謳い文句は、きっちりとした食事制限にも気を使える方にしか当てはまりません。
食欲を抑えるためにコルセットを着用し続けるのは不可能に近いと言えるでしょう。
コルセットダイエットの謎③本当にバストアップするの?
コルセットダイエットを調べている際、新たに始める方の中で一番多かった理由は、バストアップでした。(私もそうです)
コルセットでバストアップするには、コルセットで肋骨を締め付けた際に溢れた背中の脂肪をブラジャーに納め、脂肪を背中から胸へ移動させるそうです。
が、残念なことに体についたお肉はそう簡単に引越し大移動することはありえないんです……。
最近、某youtuberが宣伝していたバストサプリや、バストアップするナイトブラが全て嘘だったことで炎上したのはみなさんの記憶に新しいでしょう。
それが嘘だったということがわかったのに、何故いまだに新たにコルセットで背中の脂肪が胸に移動するというのでしょうか…。
当時の私もそう信じていました。
が、やはり胸はそう簡単に大きくなることはありませんでした。
マッサージで大きくなってきたように感じるのは、ただ単に腫れているせいなんだとか。
胸の大きさは生まれつきの乳腺の大きさによって変わってくるものなので、マッサージなどの外的要因で、しかも数ヶ月という短期間でバストアップは見込めないんですね。
しかし実際にコルセットダイエットやマッサージで「大きくなった!」と感じている人がいるのもまた事実。
医者と体感した人との間で見解が分かれてしまっているのも疑問に思いますよね。
これに関しても山口先生にお伺いしてみました。
幼少期に鼻の下を触りすぎると豚鼻になるぞ!と言われたことはありませんか?
それはあながち間違ってはいないそうで、人の皮膚は細胞からできていますので、一定の同じ圧力で引っ張り続けたりすると、細胞の形状記憶という性質上ありえてしまう話なんだとか。
つまり、コルセットをして胸周りに溢れた脂肪をブラジャーの中に納め、固定し続け、形状記憶をさせ続ければありえない話ではないのだそうです。
しかしこれは年単位でみた長期的なお話なので、数週間・数ヶ月で変化が目に見えることはほぼありません。
ですので、習慣として長い目でみた時にワキ肉をキャッチするブラジャーなどを使い続けるのは◎。
また、コルセットを着用し続けた上でバストアップしたように感じるのは、コルセットによってアンダーが(肋骨)締まってきたからではないか、という見解が一番濃厚だそう。
ブラジャーのカップは、バストトップとアンダーの差が開いているほど大きくなっていくものですので、これは納得の意見ですね。
胸の大きさはカップ数が大きければ大きいほどデカイ!というわけではないという事を男性をはじめとする世の中に声を大にして伝えたい物です…笑
医療従事者の方がマッサージなどでバストアップするのはありえないと言い切られるのは、それに確定所見のないエビデンスが取れないものだからです。
サプリやナイトブラがでバストアップすることもないということは、みなさんもご存知ですよね。
マッサージなどで大きくなった!と感じるのは個人差が大きくでる話ですので、先述の「腫れ」などを大きくなったと感じるのならばそれはバストアップ成功ということになります。
が、そこに医学的根拠はありません。
要するに、バストアップしたというのをカップ数だけでみるのならばありえる話ではありますが、バストの質量的な面からみるのであれば脂肪は背中から移動することはないので、その可能性はぐっと低くなる、ということになります。
何はともあれ、肌に摩擦はよくないので、皮膚を引っ張るようなマッサージは避けた方が無難では…というのが私の意見です。
コルセットなしでくびれを作るには…?
綺麗なくびれを作るには、呼吸で全てが変わる!と、山口先生。
呼吸に関与している腹斜筋という筋肉があるのですが、肋骨の一番下(12肋骨)と、腸骨稜(骨盤の一番端の上)を結ぶ間にある筋肉で、親指を突っ込んで指を弾き飛ばすように息を吸うトレーニングをしていくと、衰退した腹斜筋の活動が高まり、くびれ作りが効率的になるそうです。
他にも、日常的にしている呼吸を少しだけ意識するだけで、腹斜筋のトレーニングになります。
1.口から息を吐ききる
体の中の空気を全て外に出します。お腹を薄くペタンコにするイメージで、口から息を吐き切ります。
2.鼻から息を吸う
お腹に空気を入れるのではなく、肺に空気を入れるよう(肋骨を広げるように)意識しながら、鼻から息を吸う。おへそを前に、もしくはお腹全体を横に広げえて伸ばすイメージ。内臓を上へ上へと持ち上げます。
特に脇腹も膨らませましょう!
ボイストレーニングの指導を受けたことがある方はわかりやすいかもしれませんが、背中も息で膨ませていくイメージで。
その背中、脇腹がくびれを生み出す筋肉なんです!
3.口から息を吐く
肋骨を寄せながら、お腹を薄くするよう意識する。手を添えながら行うと、変化を感じやすい。
4.2~3を10回繰り返す
薄くなったお腹をキープしながら行うことで効果アップ!
ぎゅうぎゅう締め付けて生活するよりも、普段している呼吸でくびれができたら最高じゃないですか!
是非試してみてくださいね☺️
いかがでしたか?
コルセットダイエットを勧めているサイトやSNSには中々載っていない、注意すべき点などをまとめてみました。
劇的なビフォーアフター写真を見ると、「着けるだけで痩せられるなんて簡単そう!」と試してみたくなりますよね。
しかし、実際に健康被害が出てしまっているコルセットダイエットは、気を付けて実行しなければ取り返しのつかないことになってしまい兼ねません。
とは言え、実際にコルセットを装着した時のウエストのくびれはまさに感動もの✨
ファッションとして時々楽しんだり、気を引き締めたいときに細くなったウエストをみてモチベーションをあげたりするのにはオススメです!
様々な値段の物が売っていますが、高けりゃいいってものでもないので、よく吟味してくださいね。
しかし私はハードなコルセット着用をやめた今でも、反り腰と腰痛の治療で山口先生にお世話になっています。
読者の皆様は、私のように気軽な気持ちで長時間の着用し、腰を痛めたりしないでくださいね……😭
ネットに落ちている様々な情報を活用するには、自分で試す前にその情報には医学的根拠があるのか、健康被害が出ていないかなど、きちんと調べて自分を守るという、ネットリテラシーも必要になってきている時代だと思います。
安易な気持ちでなんでも試すのは危険を伴うことも多々ありますので、自分に合っている医学的根拠に基づいた正しい情報と美しい自分を目指していきましょうね♪
監修:山口透
柔道整復師として就職後、マネージャー・鍼灸整骨院院長を経て東洋医学との出会いによりその整骨院を退職。
現在はより良い治療を提供する為、鍼灸専門学校に通いながらの勤務を継続中。
↑表示変ですが、山口先生のインスタに飛びます!
ライター:M.