仕事を面白くするスキル:ロジカルシンキング=意図的に最適解を検討する力
「ロジカルシンキング(論理思考)」は得意でしょうか?苦手でしょうか?
様々な企業研修を企画、実施してきましたが、年代や職種、組織規模に関係なく共通で「うちの社員は出来ていなくて...」「私、苦手なんです...」と最も言われがちなスキルがこの「ロジカルシンキング」な気がします。
ロジカルシンキングに向き、不向きはあるのか?
まず考えたいことは、「論理的なタイプ」「感情的なタイプ」とよく言われますが、ロジカルシンキングに(性格的な)向き、不向きはあるのか?ということです。
結論僕は、「誰にでもできる(向き、不向きはない)」と思っています。いやいや、「職場に論理的に考えることがうまい人もいれば、そうじゃない人もいるよ!あれは性格でしょう」という反論もあるかもしれません。
たしかに得意な人もいれば苦手な人もいることは事実だと思います。性格的な向き・不向きがないとしたら、この違いはなぜ生まれるのでしょうか?
僕はロジカルシンキングは「筋トレ」みたいなものだと思います。つまり、長く、正しく続ければ、ほぼ誰でも確実に筋肉がつきます(まあそれが難しくもあるのですが笑)。
では改めて、なぜ差が生まれるのか?それは「筋トレ」と同じように「どれだけ習慣化しているか(日々意識しているか)」によるものだと思います。
誰にでも身に着けられるスキルですが、良くも悪くも、積み重ねがものをいうのが、ロジカルシンキングだと思います。
もっとラフに表現すると、「感覚的にはAがピンとくる」という思考を引きはがして、「やっぱ論理で考えるとB」といった、感覚→論理の転換をトレーニングし続けることが必要です。
ロジカルシンキングとは何か?
では、ロジカルシンキングとは何でしょうか。直訳すれば、論理的に考えること ですが、論理的に考えるとはどういうことでしょうか。
僕は、ロジカルシンキングとは「意図的に最適解を検討すること(力)」だと定義しています。
例えば、彼女へのサプライズを成功させたい!としたら、どんなことをしますか。それぞれの経験から、美味しいご飯を食べにいくとか、彼女が気になっていたプレゼントを渡すとか、渋谷の電光掲示板にメッセージを出すとか笑、色んなアイデアが出てくるかと思います。これを感覚的に、なんとなく考えるのではなく、意図的に検討することがロジカルシンキングです。彼女の好みは何か、世の中の統計的にウケがいいのは何か、そもそもサプライズを彼女は喜ぶのか、などなど、サプライズの成功に向けて、必要なことを一つ一つ考え、検討し、結論を出します。そうすると例えば、そもそも彼女はサプライズじゃないほがいいんじゃないか、という結論になることもあります。このように、感覚や感情では、「見えなかったことが見える」という点がロジカルシンキングの一番面白いところだと思います。
ロジカルシンキングを高める3つのポイント
「ロジカルシンキング」力を高めるために、意識したいポイントは以下の3つです。
①問い(縛り)の設定にこだわる
②線ではなく面で考える
③常に最後は論理でなく、感情
1つずつ、簡単にご説明します。
まず①問い(縛り)の設定にこだわる、です。論理思考は、「意図的に最適解を検討する力」ですので、そもそも何についての最適解を検討するのかを決める(縛る)ことが何より重要です。そしてこの縛りを、「問い」の形で整理することが大事です。例えば、「色について考えてください」と言われたらどんなことを考えますか?好きな色を考える人もいるかもしれませんし、色は可視光線によって...と原理について考える人もいるかもしれません。しかし、「好きな色は何ですか?」と聞かれれば、好きな色を考える人しかいません。このように「問い」を設定することで、はじめて考え始めることが出来るわけです。
次に②線ではなく面で考える、です。先ほどの例のように、彼女の誕生日→喜んでもらいたい→サプライズ!のように一本の線でストーリーが出来てしまうと、彼女の誕生日→喜んでもらいたい→何が嬉しいか聞く、のような他の選択肢を検討できなくなりがちです。論理的とは一本の線で筋を通すことではなく、面で検討し、最適解を検討することです。
最後に③常に最後は論理でなく感情、です。ロジカルシンキングは、あくまで最適解を検討する力なので、よくよく考えた末、50:50でどっちもありだし、どっちもなし、みたいな時もあります。例えばコロナ禍で感染者数減少を優先するのか、経済の回復を優先するのか、といったように、頭で考えても分からないため、何を大事にしたいのかという心に従って意見をもつかと思います。また、先程の例のように、どんなサプライズをするか?も、そもそも喜んでほしい!という気持ちがないと、問すら生まれず、ロジカルシンキングの出番はありません。このように、ロジカルシンキングは、自身の感情にある意味まっすぐ従うための力でもあります。
次回もまた別の基礎力について考えていきます!
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