小野寺 慎平

株式会社NEWONEの人材開発、組織開発のコンサルタント。仕事を面白くするための情報を発信します!

小野寺 慎平

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マガジン

  • #チームで共通言語にしたいことシリーズ

    将棋にも定石があるように、またサッカーにも基本戦術があるように、チームや組織にも、所属しているメンバーの「共通認識」になっていることで、組織がWorkすることがあります。組織開発を支援している私が、チームで読みまわしてほしいと思うことをまとめています

  • #20代読んでよかった本を読み返してみたシリーズ

    人材開発・組織開発に20代を捧げた私が読んでよかった本を、30代になった今読み返して整理しています

最近の記事

全ての感情は正しいのか?

最近はランニングしながラジオ的にインプットするということにハマってます。 昨日は、哲学者・教育学者の苫野一徳さんのお話を聞きながら走ってました。 推し哲学者の方で定期的に聴いてるのですが、以下がとても面白かったので、感じたことをシェアします。 「感情による決めつけ」と「欲望-相関性の原理」というタイトルだったのですが、私たちの認識の一切は、欲望-関心相関的であり、だからこそ自分の感情に自覚的であることが大事だ、といったお話がとても面白かったです。 苫野さんのインタビュ

    • 集団と共に変容する

      プロセスワークの創始者アーノルド・ミンデルの著者より一行をご紹介。 これまで多くのワークショップを開発し、ファシリテーションをしてきました。 また、創業メンバーとして所属する現在の組織、中学の頃の部活、何なら幼稚園のころいつも遊んでいた幼なじみ、など「集団と自分」というものについて、幾度となく悩み考えてきた人生だなと思います。 誰とでも上手くやれるタイプでは決してないので、どうしたら、集団の中でうまくやれるか、なぜこんなにも楽しくないのに馴染まないといけないという切迫感

      • 社会規範と市場規範

        組織開発を行う上で知っておきたい社会規範と市場規範についてご紹介。まずはまとめから。 まとめ行動経済学において、個人や組織が意思決定や行動を行う際の価値基準やルールには、社会規範と市場規範がある 社会規範は共感や信頼をベースにした規範であり、市場規範は損得をベースにした規範である 組織においてどちらの規範が支配的なのか、市場規範が支配的な場合、構成メンバーの責任感やモラルが薄れかねない 社会規範と市場規範では、chatGPTに聞いてみます。 いかがでしょうか。 コ

        • コミットメントの対立を乗り越える

          以下の3人は何に触っているでしょうか。 これは、The Blind Men and the Elephant(盲人と象)というインドの寓話です。つまりこの3人は象を触っているのです。 この話の教訓は、部分だけを見ると正しく思えること、そうとしか思えないことも、全体を見ると別のものに見えるということです。(全体"像"を捉えることが大事) 適応課題と葛藤構造組織ではこういったことが良く起きます。 例えば、管理職が仕事を引き取ったという事実に対して、ある人は、「部下想いでや

        マガジン

        • #チームで共通言語にしたいことシリーズ
          9本
        • #20代読んでよかった本を読み返してみたシリーズ
          4本

        記事

          アリから学ぶ組織や社会

          「働かないアリに意義がある(長谷川英祐著)」があるがとても面白かったのでご紹介。 本書によると、生物進化の大原則に「子どもをたくさん残せるある性質をもった個体は、その性質のおかげで子孫の数を増やし、最後には集団のなかには、その性質を持つものだけしかいなくなっていく」という法則性があるらしい。 しかし、一般に知られる通り、アリやハチといった虫は女王のみしか子孫を残すことができず、「子どもを生まずに働く」という性質をもった個体が多く存在する。 つまり、これらの虫は、特定の個

          アリから学ぶ組織や社会

          言葉の定義によって、モノの見方が変わる

          今年の新卒が、「お客さんからアンガーマネージメントの研修の依頼をもらったので、そもそも怒りとはどのようにして生まれるのか、から考えてみたんです。」と言ってまして。 手前味噌ですが、とっても良い頭の使い方だなと感動しました。 彼女いわく、怒りとは価値観次第であり、価値観に照らして怒りという感情が生まれる。 なので、自分とは違う価値観を許容したり、そもそも自分の価値観ってなんだっけ、と立ち止まることがアンガーマネージメントなのだと。 このように怒りを定義するだけで、怒りを

          言葉の定義によって、モノの見方が変わる

          なんでできないの?と他者に思ったらチャンス

          他者に対して、例えば会社の部下、上司、親や子供など比較的身近な方に対して、「なんでできないの?」「なんでやらないの?」「なんでこうしてくれないの?」と思うことはないですか? しょっちゅうありますよね。(笑) ないですか?私はしょっちゅうあります。 そして、それを直接他者に伝えてしまい、他者との関係性の悪化につながったり、伝えないまでもモヤモヤした感情を抱えてしまったりと、ネガティブな面に注目されることが多いのではないかなと思います。 しかし、「え、なんで?」はチャンス

          なんでできないの?と他者に思ったらチャンス

          変わりたい市場、変わりたくない組織

          組織開発の師匠から教わったことを思い出しながら、整理していきます。 今回は、"市場"は「変わる」ことが本能だが、"組織"は「変わらない」ことが本能であり、だからこそ"事業"は難しいということについて、整理します。 変わりたい市場、変わりたくない組織まず、市場は消費者のニーズをはじめとして常に変わり続ける特徴があります。 その前提で事業を行っていくためには、事業も変わり続ける必要があります。 例えば、服を販売するメーカーは、消費者が年齢を重ねるごとに求める服が変わるため、

          変わりたい市場、変わりたくない組織

          脱 当事者意識を持て!

          より良いチームをつくっていくためには、「良いチームリテラシー」のようなものをチームメンバーで共通認識にしながら高めていくことが大事です。 押すな押すな、が面白いのも、押す人がいて、それがお決まりだと分かるから面白いのと一緒です。 このテーマで過去いくつか、書きました。 そのうえで今回は、一定のチーム力がある組織でよく使われがちな「当事者意識を持て」という点について、反省や自戒の念も込めて、言い切りたいと思います。 当事者意識は当事者しか持てない組織開発を生業とする組織

          脱 当事者意識を持て!

          ダブルバインドと組織開発(chat GPTと考える)

          精神科医グレゴリー・ベイトソンによって提唱された「ダブルバインド」について組織開発の観点から、chat GPTと対話しながら考えてみました。 そもそも、ダブルバインドとは、 二つの矛盾した要求や情報を受け取ることで、どちらの選択肢を選んでも罪悪感や不安感をおぼえるような心理的ストレスのある状態 です。 具体的にはどういうことでしょう。 どうでしょうか。 イメージしやすく、あるある~と思う方は多いのではないでしょうか。 私は各社の組織開発を支援したり、自社の組織開発

          ダブルバインドと組織開発(chat GPTと考える)

          仕事が手段でプライベートが目的化するワケ

          ちょっとタイトルと違う話から入るのですが、先日、主体性と社会性がトレードオフ状態になることで主体性が損なわれる、ということを教わりました。 主体性→自分らしく生きたい、自分がやりたいことをやりたい、自己実現をしたい 社会性→社会や組織、コミュニティの中で順応したい、責任を果たしたい(果たすべき) 例えば以下のような状態です。 サッカー部に入部してシュート練習をしたいが、ボール拾いをするのが1年生の役割という不文律があるので、シュート練習をしたいと言い出せない 会議で意

          仕事が手段でプライベートが目的化するワケ

          現実はいつも対話から生まれる

          今回は社会構成主義について分かりやすく書かれた良書「現実はいつも対話から生まれる」からの学びをご紹介。 個人的にははじめて知ったとき、嫌われる勇気(アドラー心理学)と並び、目の前の現実だと思っていたことが、あれ、もしかして現実じゃないのか?と、知るだけで現実が書き換わる感覚がありました。 どういう方が読んでも面白いと思いますが、組織開発にも多分に活かされている考え方なので、人事・組織開発に携わられている方には特にお薦めします。 社会構成主義とは社会構成主義の立場について

          現実はいつも対話から生まれる

          自分の状態にあった適切な休み方

          突然ですが、休むのは上手ですか? 私は正直上手でありません笑 心療内科医が教える本当の休み方(鈴木裕介)を読み、「休む」という概念がアップデートされました。 今回はいくつか発見があった点をご紹介します。 働く全ての人におすすめですが、私の専門である人材開発・組織開発の立場からもとても重要な気づきがありましたので、組織づくり、人事、マネジャーの皆さんには特におすすめです。 AbsentとRest 休養とは疲労を回復し、健康を取り戻すという目的を果たす活動だが、本書い

          自分の状態にあった適切な休み方

          他人のことは見えるが自分は見えない

          20代で読んだ本を読み返そうシリーズ#3です。 今回は、自己矛盾劇場(細谷功)をご紹介。 細谷さんの本は大変分かりやすく、実施する研修等でもよく紹介しています。 この本は、読んだときにスッキリ!というよりも、ウッとなる本です。笑 人には多くの矛盾があり、それを自分では気づけていない、という自己矛盾について構造的に説明されていて、認めたくないが、自分あるあるだなと思いました(読み返してもまたウッとなりました。笑) 自己矛盾とは 自己矛盾、つまり言動に対する一貫性のなさ、

          他人のことは見えるが自分は見えない

          官僚主義とヒューマノクラシー

          ヒューマノクラシー(ゲイリー・ハメル)が希望の書でした。 自律分散組織の大家でもあるゲイリー・ハメルから、組織開発を担う人、より良い組織をつくりたいすべての人への大号令のようにも感じました。 どれだけ良い組織を作ろうと思っても、なんか見えない壁のようなものを感じる、前提から見直す必要があるように思う、といった方にぜひ読んで頂きたいです。 官僚主義とヒューマノクラシー本書では官僚主義(bureaucracy)に対して、著者の造語であるヒューマノクラシー(humanocra

          官僚主義とヒューマノクラシー

          非合理的な意思決定が組織を動かす

          先日ある人から、非合理=粋と教わり、たしかにー!!となりました。 自分のメリットにならない、何ならデメリットやリスクがあるけど、誰かのためになることだったり、その人らしいとなることに対して、粋だなとなる。 非合理であれば必ずしも粋ではないかもしれませんが、粋である、というのは確かにその行動の主体者にとって合理的でないと感じられる時に生まれる感情だなと思いました。 企業の人材開発、組織開発をご支援していると、(当たり前ですが)合理的な提案を求められることが多いです。 そ

          非合理的な意思決定が組織を動かす