1-5「おしまい」エピローグ
犬の言ってることは分からない
それは人でも同じこと
本人が何を思っているか
真意を知る術はない
みんなが想像しながら生活している
食事にセットで付いているコーヒーを
断ったあの人にも
その人なりのルールがあるのだ
3秒にも満たない問答なんかでは
そのルールを知ることもできない
自分の中にもそんなルールがあった
それは大きな約束だった
でも僕はそれを一度破ってしまった
その時僕の中で世界は壊れ始めた
それが苦しくて
すごく嫌で
壊れる前の世界を保存した
そこまではよかった
しかし
懲りずに新しい世界を作り出した
二つは存在できない
なのでそのどちらもを
ここに置いて旅に出る事にした
いつか全てなくなった頃に新しい世界を作りたい
そう思っている
もう自分からは壊さない
いつ思い出してしまっても
幸せな気持ちでいたい
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