#006 THINK,102に参加してインスパイアされた事をまとめてみる
僕が広島にいながら、ずーっと参加したかったイベントがありました。
それが、SUPPOSE DESIGN OFFICE の共同代表である谷尻誠さんが、毎月著名なゲストを呼ばれて、コトを考える時間を過ごす「THINK」だ。
THINKのページはこちら。
会場はSUPPOSE DESIGN OFFICEの事務所の3Fで行われている。
始めたきっかけは、日々谷尻さん自身が出会った人々の考えやメッセージを自分の会社のスタッフにも伝えたいという想いがあったそう。
谷尻さんは、建築家でありながら、起業家としても活動されており、広島を代表する建築家の1人として認知度が高い方だ。
僕の好きな尾道U2や
東京のBOOK AND BED TOKYO
の設計もされている。
あ、そこ知ってると思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
参加した事について
まず初めて参加してみて思った事を完結にまとめると、
「もっと早くから参加しておくべきだった」と思ったほど良質なイベントだった。
現代は、著名な方々の発信するメッセージや考えを、メディアやSNSでどこにいても入手することができる。だけど、やはり実際に対面し、「生の声」で聞いて体感する方が、自分の体に吸収できる量は圧倒的に多いと思う。
なによりも距離が近い
ここが熱量の1つの要因かもしれない。よくある講演会って、ステージがあって、かしこまった挨拶があって、終わった後ははいおしまいだが、THINKはとにかくスピーカーとの距離が近い。トークセッションが終わった後も、谷尻さんや今回のゲストである龍崎さんとも挨拶やラフな話ができて、個人的にすごく満足だった。卑しい話、これで参加費1,000円は破格だ。
THINK,102 龍崎翔子さん×谷尻誠さん
今回のゲストは、23歳にして取締役/ホテルプロデューサーを務めている、龍崎翔子さん。
前半は、龍崎さんのルーツから現在運営されている「L&G GLOBAL BUSINESS.Inc.」の紹介からはじまった。
もともと、僕が龍崎さんを知ったのはツイッターでのタイムライン。
そこから、彼女の原動力や勢い、発想力はどこから生まれているのかを聞きたいと思っていての今回だったが、なんていうか
「なんてぶっ飛んでいる人なんだ。。。」
っていうのが正直な感想。(良い意味です笑)
講演会後に挨拶させてもらったら、すごく謙虚な方で素敵な女性でした。
いつか一緒に仕事したいですね。
ホテル経営の夢は幼少期の体験
幼少期に一時期、ご両親の仕事でアメリカにてホテル暮らしをしていた龍崎さん。
その時に自身が感じた、ありきたりな個性のないホテルに、「自分だったらこうする、こうしたい」と思ったのが、ホテルと向き合うきっかけだったそうで。
中学、高校の時にはすでにホテル経営をすることは決めていて、
大学生になり、オリンピックが迫っていることで早く始めなきゃと焦り、休学し、北海道富良野のペンションでの経営をスタートしたことから、今の事業に繋がっていると語られていました。
幼少期の時にすでに、「当たり前を当たり前と思わない」ということ、
「自分ならという考え」を持っていたところが、すごいなってただ関心。
ホテルという建物の再定義
当たり前ですが、ホテルは旅行先での寝る所だ。
この当たり前、つまり「ホテルとはこういうものだ」という既成概念にとらわれず、むしろ壊し、新しいホテルの在り方やその意義を考え、作っているところが龍崎さんのホテルプロデューサーとしての魅力だと感じた。
彼女の考えるホテルとは、
ホテル=ハコが、ゲスト(お客様)とその土地の街、人、文化を繋ぐ存在になるように計画・設計をしているとの考えだそう。
あくまでホテルは目的地ではなく、その土地の街や人、文化をゲストに繋げる、いわばバイパス的な存在になることを目指している。
近年地域再生が課題になっている土地も多いが、その土地の街や人、文化やそこに在るホテルや旅館の方々にとって、1つの大きな解決のヒントになっていくのかもしれないなと感じた。
現在は、大阪に「HOTEL SHE,OOSAKA」京都に「HOTEL SHE,KYOTO」をオープン。
神奈川の湯河原や北海道の層雲峡にある旅館とはタイアップし、企画や運営を行なっている。
人は体験し、そして感動を伝えたい。
ホテルのブランドコンセプトを作る上で、「他人の日常」という
キーワードがあった。
バイパス的な役割をホテルが持つためには、ただ快適にくつろげて、寝れる場所だけではなく、様々な仕掛けを取り入れられている。
そこに普段体験できないことを取り入れることで、新しい体験や経験をお客様に提供している。
京都のホテルではレコードがお部屋にあったり、北海道の層雲峡では水タバコの体験ができたり。。。
また、どこまでもお客様目線だと感じたのが、インスタグラムといったSNSの投稿についてだ。
お客様が実際にホテルで体験したり、経験した事や景色をもっと手軽に友達や周りの人たちに伝えやすいように、写真の投稿はiphoneで行うことに徹底し、誰でも気軽に共有ができるようにしているんだそう。
良いものを良く見せるのは、プロに頼めば簡単。
ただ、それを多くのお客様にも体験してもらうことは難しい。
ここをお客様目線で捉えた形にしていることは、個人的には核心をえぐられた気分だった。
お客様も人、商い側も人。
良く見せたいのは、人の本能だとすると、商い側もついつい自分たちが良くみせれれば良いになりがちだからだ。
そこを抜け出していることが、すごいと思った。
商いは飽きない
トークセッションの終盤に出た、言葉。
現代は、良いモノに溢れていて、どんだけ良いと言ってもなかなか消費者に響かない。だからこそ特異性や個性でブランドを作り、それがこれからの社会を作ると言われているし、そして実際に、そういう時代は来ていると感じている。
実際に、今まで決してスポットが当たらなかった人がメディアに出たり、一般の人が突然有名な人になったりしていて、もはやそういうのにも慣れてきた気さえする。
で、そういった方々に共通しているのは、自分たちの活動や行動に自信や誇りを持っていて、輝いているということだ。
そしてとことん熱中して、行動をしている。
その熱中は、周りに伝播し、共感を呼び、ファンを作り、そしてブランドとなる。
龍崎さんは、ホテルというハコを通して、多様化するライフスタイルの中で自分らしい選択肢をお客様へ提供したいという想いを語っていた。
これまで、ホテルとは泊まる場所というのがメインだったが、なんだかもっといろんな可能性がこれからのホテルに出来ていくんだろうなと聞いていて、ワクワクした。(例えば、食べれる客室とかどうだろうなーとか)
共通しているキーワード
実は、同じ日に別の機会で谷尻さんの講演も聞いていた自分。
なんとなく龍崎さんのトークの中にある考え方が、谷尻さんの講演時の言葉と重なるところが節々にあった。
谷尻さんは講演の中で、「経験に基づくことで判断をすることほど危険なことは無い」と話していて、その言葉が僕にとってとても印象的だった。
これって、クリエイティブな発想をする上で大事なキーワードだと感じた。
そして別に建築やホテルの事に限ったことではなく、あらゆる場面で生きてくる考えだと思う。
経験は、自分の行動を肯定する大きな材料となる。
ただ、一方で「こうあるべき、これが正解」というような思考の停止に繋がるんだと。
今世間に評価されている、谷尻さんの建築だったり、龍崎さんのホテル経営や行動を見ると、参考にできる考え方の1つだと強く感じた。
本日のまとめ
今回23歳という経営者を目の当たりにし、若くして多くの経験や苦労を積んできている姿に、自分は何がもっとできるだろうかと考える時間になった。
そして、その一歩として日々の生活や発想を進めるために、まずはモノゴトを決めつけないという事を習慣にしたい。
例えばインターネットが普及し、SNSが活発化して情報が盛んになった反面、自分の好きな事だけ取り入れがちになっている気がする。
いつもと違ったニュースアプリやサイトを見るだけでも、少し違った発想が自分に生まれるかもしれない。
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