誓い
26.27で不倫相手と横浜に泊まった。
それはそれは楽しかった。
これで終わりかな、と思っていたが、なんとなく連絡を取っていた。突然終わりにするのが怖かった。
土曜にLINEで少し話して、そこから返事が来なくなった。
ここまで長い未読無視は初めてだったから、なんだか勘づいた。
彼のインスタはブロックしていたから見れなかったが、彼の友人のストーリーを見たら彼の結婚式の写真だった。
涙で震えが止まらなかった。
人は、受け入れ難い状況になるとこんなにパニックになるんだと身をもって改めて感じた。
永遠の愛を牧師の前で誓うんだ
私のことは頭の片隅にもないんだ
結婚式の数日前に私に会って、何も動じないんだ
結婚指輪を指にはめるんだ
何を信じたら良いのか分からない。
何もかも嘘でしたなんて言われたら私は死んでしまう。肉体的には死なないけど、心が死ぬ。
何もかも自分が信じたら真実なんだけど、それは現実では不適応なものであって、そうなると全てを幻想だと思って、彼は死んだものと思うしかない。
タイミングというものは不思議だ。もしまだ彼のインスタグラムをフォローしていたら、彼は私に結婚式の様子を公開するのだろうか。
めんどうな足枷を自ら手放した気がして、なんだか悔しくなった。
彼の現実世界には私は存在していなかったらしい。
わたしの中で彼がどんどん大きくなって、侵食されて自分すら飲み込まれていた一方で。
もう返信も来ないのかもしれない。
お互いに終わり時を感じていたのかもしれない。
ここまで来ると、相手の気持ちを想像することすら恐ろしい。
相手と話さなければ分からない。けど何を話したいのかと言われても、極論を言えば、地獄に堕ちてとしか言うことが無い。あとは自分の怒り、悲しみをひたすらぶつけるか、本当の愛だったよね?とのたうち回るしかできない。
愛してたんだよ。何も知らない分際でこんなこと言えるのか分からないけど、愛していた。
今も愛している。けどこんなに腐った人間に対して向けてもナイフになって自分に刺さってくる。
なんて言えば良いのか分からないけど、私は私の道を行く。もっと辛い人がいるんだからこんなことちっぽけだなんて、無理やり箱に押しこめるようなことは思わない。今の等身大の自分が辛いんだもん。向き合うしかない。自分しか自分のことは分からない。
愛してたよ。私の事なんて忘れてしまうんだろう。
今も、頭にないよ。
永遠の愛を誓った夜だよ。それはそれは幸せでしょうね。
なんでこんなふうに下手に出て、私の方が負けみたくなってるのかも悔しい。
どこにぶつけたら良いか分からない。
こんな気持ちになったことない。
私の死ぬ前の走馬燈はもっと色濃くなったと思う。
この経験を乗り越えた先に待つ新たな自分に会えるなら、なんだって立ち向かうよ。
もし神がいて、彼でさえ幸せになれるとしたら、もう既に幸せなんだろうけど、わたしは幸せになりすぎて困ってしまうと思う。
けど、彼の生きる世界線が違っていて、神が存在していても別世界の神だから比べてもどうしようもないのかもしれない。
愛してたよ。
締め方が分からない。終わり。