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最後の日のコト:その2

告知

前回の続き、、、蘇生の処置を出来るところまでお願いし、またしばらく待つことに。。妻の職場の同僚の方もおりその時の状況を聞きつつ、その合間に義妹も到着し不安な時間を過ごす。この時は、まだどこぞの映画みたいに戻って来る可能性があると何処かで思っていた。そして30分くらい経った頃だろうか。。再度、診察室に呼ばれ、医者と話す。

現状出来る処置は全て行なったが、戻って来る見込みがないとの報告。CTスキャン上ではクリティカルな原因が分からないとの事。ただ、この時期なので(緊急事態宣言真っ只中)PCR検査はさせて欲しいとの事で承諾した。そして、最後に確認をして欲しいと言われたのか私が会いたいと言ったのか記憶が定かでないが、処置室へ確認をしに行くことに。

別室で、待つ。

そして、N95マスク、使い捨ての手袋、ビニール製のスモッグ?、髪の毛が出ないようにキャップを被り、ゴーグルもして本当の完全防備で処置室に入った。

そこには、多くの管を繋がれたままの妻がいた。看護師の方に、「最後まで感覚が残っているのは聴覚と言われています。何か話しかけてあげて下さい。」と言われた。

心音を測る機械からは音はしていない。他にも血圧等を測る機械?などが繋がっているが良く分からない。私は最初に、手を触った。もう冷たくなっていた。思わず「もう冷たくなっている」と呟いた。。そして顔を見る。恐らく心臓マッサージなどをかなり行なったのであろう、血が鼻の方にまで上がっているのが分かった。そしてほんの薄ら目が見えた。

この瞬間から、声を出して周りの目も憚らず泣いていた。

なんて話しかけたのかきちんと憶えていないが、ありがとうとか、なんで?とか、早いよ、などと言っていたと思う。

その時、どの計器か分からないが反応して「ピーッ」と音を出していた。周りの看護師の方も少し驚いた様子だったが、その音は直ぐに止まった。本人は何か聞こえたのかもしれない。あくまでも希望的観測であるが。

その後、看護師の方にこれもうろ憶えなのだが「お願いします」と言ったのか、「わかりました」と言ったのか定かでないが、時間の確認と瞳孔の確認、心音の確認をして時刻を告げられた。

この後、義父や義母、義妹も面会をし、後の段取りの話もし、実際に救急車にて処置に入られた救急隊員の方にも話をお聞きして、この日は帰る事となった。

実父と実母を実家に送ってから車で家に帰る。車の中で、嗚咽しながら帰った。

家は、いつもなら安心する場所のはずが、この日は怖くて仕方なかった。持ち主を失った物が散乱していたからだ。

その日は寝れなかった。

この先の不安は勿論だが、時間がとにかく止まってしまった。

この日から、まだ安心して寝れた日が一度も無いと思う。

※後日、PCR検査は陰性であり、例のウイルスが原因では無い事を付け加えておきます。

※若干の省略等御座います。

段々と記憶が薄らぎ始めている中で書き留めさせて頂きました。実際、少しぼーっとしていたと思います。

ではでは。





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