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公平性と効率性、そしてインセンティブ
メカニズムデザイン番外編
こんばんは。S.Kと申します。今回は番外編として、制度の性質についてざっくりとお話しします。時事ネタを含むので、その点はご容赦ください。
制度を考えるとき:公平性と効率性
誰かが不満を持たないような制度を考えます。これを公平性と言います。
僕の小学生時代ですが、掃除する場所が週ごとに変更されてました(これをローテーションルールとでも呼びましょう)。
例えば「大変な体育館掃除」を誰かが常に担当していると、不公平だからですね。ローテションすることで、みんなの負担が同じようになります。子どもなので「負担が同じならまぁいいか」とこのローテーションルールを受け入れます。このルールは公平性を持ったルールと言えるでしょう。
しかしながら、
体育館掃除が得意なAくんと、トイレ掃除が得意なBくんがいたとして、
Aくんがトイレ掃除、Bくんが体育館掃除だと、掃除は非効率になります。
リソースの割り当てがうまくいっていません。
Aくん、Bくんを得意な場所に割り当てるようなルールがあれば、それは効率性を満たすと言います。ローテションルールは公平ですが、非効率になっています。
公平性と効率性はトレードオフ(あちらを立てればこちらが立たずという関係、負の相関)になることが多いようです。
インセンティブ
定義はwikipedia参照
インセンティブ(英: incentive)は、人々の意思決定や行動を変化させるような要因のことをいう。誘因とも呼ぶ。
さて、制度を考えるときに公平性と効率性だけでなく、インセンティブについて考えなければいけません。
例えば、最近の事例だと営業時間短縮要請の話が挙げられます。
「時短営業にすれば、協力金を支払いますよ」というのがあります。
でもこの制度の場合、
「他の店が営業しないのであれば、その間営業して協力金以上のお金稼げるんじゃないか、営業しちゃお」(★)
というインセンティブ・誘惑が生じますよね?
これが制度におけるインセンティブの問題です。
この状況は、囚人のジレンマに似ていて、(★)だとみんなが思ってしまった場合、実は各店にとって期待していた需要が見込めなくなるので、協力金をもらった方が良いはずなのに、営業してしまったがためみんな損してしまうということになります。
報道を見ていると、時短営業しているところが多いのかな?とは思いますが、少なからず(★)の考えの店もあるようで、特措法など改正し、罰則を検討しているようです。余談ですが。
協力金を支払うということで、公平な制度のはずですが、インセンティブによって公平性が歪められる例でした。
身近な制度を見回してみよう
ここまで述べてきたように、身の回りには色々な制度、ルールが存在しています。これは公平なルールだな、とか、これはインセンティブによって歪めれれてしまう悪いルールだな、とか色々考えてみると良いと思います。
社会に興味を持つ方法の1つとして有効かもしれません。
では、本編記事でお会いしましょう。
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