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闘病記 STAGE2 「家族を呼んでください」

前回のあらすじ
飲み会の日に具合が悪くなり、数日しても治らないから病院に行くと精密検査を案内され、検査結果は心臓の前に約10cmもある巨大な影を発見。
腫瘍があると告げられる。。。


腫瘍がある、、、
そう言われたところでピンとくるわけでもなく、私自身今まで大きな病気や怪我など無縁だったので、「なんかすげえ事なってないか?」ってくらいの気持ちでした。

内科医 「腫瘍としてはかなり大きな部類になります。この影が何なのかは1度この資料を外科の先生に診てもらい、次回は外科での診察となります。」

「影も大きく写ってるので、早めの治療が望ましいと思います。1番早く外科の予約が取れるのは来週の火曜日です。」

診察したこの日がちょうど火曜日だったので、まるッと一週間後になります。
正直この時点まではあんまり大きなこととは思ってませんでした。
確かぼやーって聞いてたと思います。

そして次に内科医が発する言葉が、前回の投稿でも書いた忘れられない日を決定付けました。


「次に診察に来られるときは、ご家族様を一緒に連れてきてください。」


ドラマ以外で聞くことはないだろうと思ってた「家族を呼んできてください」
まさか自分の身に降り掛かろうとは!
この時初めて「あ、俺やべえんだ」と察することができました。

そして診察が終わり次は血液検査へ。
その時に診察の時に部屋にいた看護師が何かの書類を持ってきました。
その看護師も深妙な面持ちで僕の横に膝をついて座り、

「ご兄弟とはご連絡はつきますか?」

「信頼できる人や仲のいいご友人は近くにいらっしゃいますか?」

と聞いてきました。
そのセリフもまあまあインパクトが強かったです。笑
それを聞いて僕も

「いやいや看護師さん、なに、俺もうすぐ死ぬの!?」

とふざけた感じで返しました。
そしたら看護婦さんも

「私は医師先生ではないので何も言えませんが、、、
映像に写ってるものは確かに写っているので。。。」

と発言した後黙ってしまいました。

その後に冗談っぽく
「大丈夫ですよー。俺心臓に毛が生えた上にハンマーで叩いても壊れない特注品なんですよー」
ってような話をした後看護師さんは仕事に戻っていきました。
正直、一通りの話を聞いてもあまりショックではありませんでした。来る時が来たのかなーってくらいで。
その話を聞いた時は36の歳だったのですが、結婚と一軒家購入とお金持ち以外の一般的に味わえる人生の出来事は一通り体験できました。笑
どちらかといえば良くない方ばかりに転がってますが。。。笑笑
その体験記に癌が加わったので、
「マジで癌までなりやがった!神様俺の人生詰めすぎやろ!」
って感じででしたね。

あとは、正直いつ体を壊すんだろう?ってくらいのペースで色々動いていたので、今回の結果に妙に納得した自分がいたのも確かです。
特に病気前の半年間くらい、疲れて車で軽く寝たら夜中の三時だったりとかはしょっちゅうありましたし、運転してて意識が飛びそうになって止まった先の駐車場で結果朝まで寝てたりなんかもずっと続けてました。

友人と一緒に会社を立ち上げ、土日祝日関係なしの「毎日何かしないといけない」状態を約10年続けてきてましたし、休みなのでゆっくりできるという概念も長年なかったです。
その10年で、やはり知らず知らず無意識に溜まった物が良くない方向に爆発したことも数回ありました。
それを回避するために始めたタバコももしかしたら悪かったのかもしれません。

「なので、そういう生活に終止符が打たれたのかな?」
「これが天命なのかな?よく頑張ったほうだろ俺?」

って本気で思いました。
上記の思いは今でもそう思っています。今回は今のところ命の心配はなくなりましたが、次また同じようなことがあってもすんなり受け入れするんではないかな?と思っています。


病院で次の予約をとり、薬局で母親に電話を入れました。

俺「なんか、胸のところに影があるらしい。」

母「へぇー。そうなん? 癌?」

俺「いや、癌かどうかまだわからんけど、来週火曜日の再診察は家族と一緒にきてほしいんだと。」

母「来週?、、、火曜日今のところ空いてるから大丈夫そうかなー」

俺「わかった。じゃあ頼むわ。」

母「はーい」 ガチャ


反応薄!!!!
おいおい、自分の息子が癌かもしれんって医者から言われて家族呼んでこいって言われたのに、その返しが「へぇー、そうなん?」じゃねえだろ普通!!笑笑
普通はもっと心配するぞ!

それに「予定大丈夫そう」じゃなくて予定あっても空けろよ!
息子やべえかもしれんのよ!
余命告げられるかもしれんのよ!
普通家族呼ぶってそういうことでしょーよ!
なのに「その日は予定あるからー」は無いでしょー笑
仕事してるからお休み取らなきゃならまだしも、あなたずっと専業主婦じゃん笑

以前Xの方に「親指と小指」のお話を載せました。
爺さんの葬儀の時に坊さんが話してくれた小話で、手をグーの状態から親指と小指を伸ばすと、小指はまっすぐ向いてますが親指は小指の方に向いているので、子供は親の方は向かずに常に真っすぐ前を見てるけども、親というものは常に子供の方に頭が向いてるんですよって話。
どうやらうちの母親は親指の第一関節が他の方に曲がってるらしい。笑
あんた、坊さんの話聞きながら「うんうん」頷いてなかったっけ?

次に会社の相方に電話。

俺「なんか胸にでっかい影があるらしい。腫瘍があるっぽいよ。」

友人「は?やべえやんそれ」

俺「んで、次来るときは家族呼んできてくださいって言われて今から病院でる」

友人「要は癌ってこと?なん?余命とか言われたん?」

俺「気が早えわ。来週またわかるんやない?そう簡単に俺が死ぬもんか。」

友人「お前は殺しても死なんもんな笑 いやー、流石にやべえやろー。死ぬなよお前!」

俺「とりあえず、今からそっち戻るけんあとで話そう。」

友人「はいはい」

って感じの会話だったと思います。
間違いなく親よりも反応が良かったです。笑


それから色々な人に病気のことを伝えました。
やっぱりみんな驚いていたし、歳も36なので合わせてびっくりされました。
その中でもダントツに反応が薄かったのが母親です笑
父親が癌になって今も元気に暮らしているので、癌自体に対する抵抗力はあったにしろ反応薄かったです。
私には11離れた妹がいるのですが、病気になった報告
と合わせて母親の反応を伝えたら爆笑していました。笑

そんなこんなで私の病気発覚初日は過ぎていきました。

次は外科の再受診から書いていこうと考えています。




ここまで読んでいただきありがとうございます。
よければ、次回書いたやつも読んでくれたら嬉しいです。

K








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