kの胸腺腫闘病日記

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  • kの胸腺腫闘病記

    福岡の30代半ば。 2024年2月。 いきなり胸腺腫という超絶稀な腫瘍が体にできてました。 20万分の1という稀な腫瘍で、良性、悪性とは別に癌の項目がある訳わかんない奴。 悪性、ステージ3、10cmの巨大腫瘍、心臓の静脈に転移寸前の状態からどのようになったかをマイペースにつらつら書いていきます。

最近の記事

STAGE4 延期と不安と助かる命

今回の主な登場人物 私(もしくはkと表記。) 投稿主。小さな会社の専務的な役目。いきなり食あたりのような症状で4日寝込み、病院に精密検査に行ったら約10cmの巨大胸腺腫が見つかる。 メガネ先生 投稿主の腫瘍を担当した最初の外科医の先生。 前回のお話はこちら↓↓ 前回母親と一緒に病院に行ってから、不安等もあったのかもしれませんが少しずつ症状が出てきました。 まずお酒が受けつけられなくなりました。 この病気の診断の後軽くお酒を飲む機会があったのですが、最初の一杯を飲み切

    • 胸腺腫がん保険 保険を下すための申請手順

      我々、胸腺腫患者は一度は耳にした言葉である 「胸腺腫は癌ではない為がん保険がおりない。」 確かに、胸腺腫と胸腺癌は別物です。 実際、保険会社に聞いても 「それは医師から癌と言われたのですか?」 と返事が返ってきます。 さらにネットで調べていくと、 「胸腺腫になったのに保険が使えない事はおかしいのではないか?」 と被保険者が保険会社に裁判を起こし、結果保険会社の勝訴。訴えを起こした被保険者は敗訴となった事例を見る事が出来ます。 これで大半の方は諦めるのではないでしょう

      • 闘病記 STAGE3 待機時間と命の対価

        前回のあらすじ 体調不良で行った病院の精密検査結果、心臓の前に影を発見。医師から次回は家族を呼んでくださいと言われ、自分の身体が何かとんでもないものに侵されている事を知る。 前回の診察から一週間、私は母親と一緒に再度その病院を訪れました。 その時にはもう胸の痛み、違和感は緩和されていたようにも思えます。その病院に行ってくるまでの一週間、特に何か苦しかった訳ではなかったからです。 もしかしたら痛みはあったのかもしれません。ですが、あまり覚えてないという事はそういうことなのでし

        • 闘病記 STAGE2 「家族を呼んでください」

          前回のあらすじ 飲み会の日に具合が悪くなり、数日しても治らないから病院に行くと精密検査を案内され、検査結果は心臓の前に約10cmもある巨大な影を発見。 腫瘍があると告げられる。。。 腫瘍がある、、、 そう言われたところでピンとくるわけでもなく、私自身今まで大きな病気や怪我など無縁だったので、「なんかすげえ事なってないか?」ってくらいの気持ちでした。 内科医 「腫瘍としてはかなり大きな部類になります。この影が何なのかは1度この資料を外科の先生に診てもらい、次回は外科での診察

        STAGE4 延期と不安と助かる命

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        • kの胸腺腫闘病記
          5本

        記事

          闘病記 STAGE 1 「病発覚」

          皆さんが生きてきた中で、 「この日に自分に起きた出来事は今後一生忘れないだろう」 と思う事はありますか? 初恋の人とファーストキスをした日の事、プロポーズをされた日の事、長男、長女が生まれた日の事、そして最愛の人やペットを亡くしてしまった日の事。。。人それぞれですが、皆さんは何を思い浮かべますか? 私もいい事悪い事様々ですが、明確に時期まで覚えている出来事が何件かあります。 その中の一つに、 「2月の最初の連休」 が今年から仲間入りしました。 その理由を、今から「闘

          闘病記 STAGE 1 「病発覚」

          胸腺腫 20万分の1の確率の発見から思った事

          皆さんはじめまして。 そしてこの記事投稿より以前からX(Twitter)をフォローして下さった皆様、改めてまして。 この投稿を書かせていただくKと申します。 Xから覗いてくださった方はご存知と思いますが、私は今、胸腺腫という腫瘍が 2月に発覚し、7月に切除の手術を行い無事取り除く事が出来ました。 タイトルにもあります通り、この腫瘍は20万分の1という凄い低確率で発症する病です。 「20万分の1ってどれくらいの確率なの?」 って思う方。 当たり前によくわからない確率だ

          胸腺腫 20万分の1の確率の発見から思った事

          小説 イマジナリー 第2章 

          2章 形見 「萌、なに見てるの?キーホルダー?」 彩理がお土産売り場で萌香にそう話しかけると、萌香は一瞬彩理の方を振り向き、 またすぐにキーホルダーへ目を戻す。 「ああ、これね!ネットで私が使ってるアイコンと全く一緒なんだよ!買っちゃおっかなーって思って。」 「まあ、萌がいいならいいんんだけど、、、」 「せっかく修学旅行に来たのにお土産で買うキーホルダーがそれなの?」 と、冷ややかな目をしながら彩理は萌香を黙って見つめている。 萌香の目線の先にあるのは観光名所とは縁

          小説 イマジナリー 第2章 

          【小説】イマジナリー 第1章

          第1章   再会 「何にもない街を散歩しても、それなりに楽しむことができる」と、父は言った。コンクリートの割れ目に咲くカタバミ、口から出る白い息、車の窓を伝う水滴、日ごろ気にも止めないものに夢中だった私は、父の言葉にピンとこなかった。しかし、大人になるにつれ、日常生活は陰り、退屈になっていった。ガラスコップの水滴に人差し指を着けても、心に風が吹かない。変わらない景色を楽しむことのできる父は、ある種の才能があったのだろうとふと感慨にふけた。 空気が抜けるような音がして、扉が

          【小説】イマジナリー 第1章