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さよなら かのひと

彼の人
と、言うとまるで彼氏のようであるが
今回は第三者の意。
ご近所さんが亡くなった。

普段であれば、家長であり
社長(社員二名の)であるだんなさんが
葬儀に参列するのだが
外せない用があったため
私が代理。

ブラックフォーマル
10年ぶりに袖を通すも
腹は通らず。
いかん。
24時間後に着るものを
あわてて買いに走る。

たった30分着るための
されど正式な場であるし
気に入った良質のものを買うか
間に合わせのものを買うか

お財布と相談し折衷案で
着まわし可能な黒ワンピ。

数珠はある。
靴は買った。

よし。大丈夫。

何年かぶりの緊張。
焼香シュミレーションOK。
いざっ。

えー!
神葬祭 だった。
あわあわパニック。
あわあわ 玉串、
あわあわ 忍び手、
あっという間に終了。

遺影もまともに見れず
なんとも申し訳なく
なさけなく。

彼の人を忍び
己の未熟さを恥じ
一杯いただくことにしよう。
「彼の人」と
しつこく言っている私であるが
なぜなら
名前を知らないのである。
だから
さよなら かのひと。
ごめんなさい かのひと。

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