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17.「味わう」という「幸せ」

「幸せ」は「知って味わう」ことで完成される。

「幸せとは何か」を、見つけ出すことはとても大切なことだけれど、知ったことを体験しないと本当の幸せにたどりつけない。

面白いと評判の映画があると知っていても、それを観ないと何も語れないように、単なる知識だけでは「幸せ」を得たことにはならない。

実際に映画館に足を運んで、スクリーンの前に座り、主人公の気持ちになって笑ったり、泣いたりすることで体験として面白い映画があると知ることができる。

つまり、「知る」とは「経験する」ということでもある。

知ったことをしっかりと身体を使って体験することで、幸せを味わうことができるのだ。

僕らの身体は経験するためにある。

五感を通じて、様々な経験をすることで「幸せ」を体験する。

だから、探し出した幸せにまつわる知識は可能な限り身体を使って体験した方がいい。

五感を使って身体を震わせ、心を震わせ感情というセンサーを働かせる。

心と身体を使って「喜び」の感情を奮い立たせることができたとき、そこに「幸せ」を感じることができるようになる。

だから、古の禅の修行も、昨今のマインドフルネスも「味わう」ことが主題となっている。

「知」を「智」に変えるために瞬間瞬間を味わう。

「知」は「知識」としての蓄積だが「智」は体験の蓄積。

身体を使い心で味わった日々の「知」が「智」に変わる。

丁寧に日々の経験を味わうことで、幸せの意味を知る。

五感を使って幸せの意味を認識する。

そして、「知」を「智」に変えたとき「幸」を知る。

「幸」とは、知識を経験として味わうこと。

味わうことで、この今に、ここにある幸を知る。

味わうとは、今にあること。

心が今に存在しないと、味わうことはできない。

未来や過去を思いながら、今を味わうことは難しい。

だから、心して丁寧に生きること。

日々の生活を十全に味わうことで、そこに「幸」が現れる。

「知」を「智」に変えることで、本当の「幸」が現れる。

僕らが、この地球で体験するすべての経験は「智」に変換される。

これまでの地球は「苦しい智」を体験するためにあった。

しかし、「苦しい智」はもう十分。

「苦しい智」の経験は十二分に得ることができた。

これまでは「幸」の反対を味わう時代だった。

時代の転換期といわれる今は、「楽しい智」を味わうための準備期間。

「楽しい智」を味わうために、「新しい血」を入れ替えている時期でもある。

「今」という時の中に喜びを見いだし、その喜びを大きく広げていく時代がもう目の前にある。

主人公が、スクリーンの中にいる時代は終焉する。

主人公は「私」であり、「私」が今ここに「新しい智」を生きる。

「楽しい智」を十二分に味わって生きる。

だから、今すべきことは日々の生活を味わい、日々の生活の中から「喜び」を見つけ出し、それを広げていくこと。

幸せは未来にあるのではない。

幸せは今ここにある。

今ここにある幸せを知って味わうことができたとき、僕らは新たな次元を生き始めることになるだろう。

これからは、「知」を探すのではなく「智」を体験する時代。

「知」を「智」に変えて「幸」を生きる。





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アキタロウ
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