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小殿筋の解剖学
小殿筋(GMin)は
歩行中の股関節の安定化、股関節外転など
数多くの動作に関わっています
小殿筋の役割と股関節機能不全への関わりを理解するためには
解剖学的構造に関する知識が不可欠と思います
今回はGMinの肉眼的解剖学に焦点を当てた系統的レビューから
GMinの構造と神経支配に関する情報を紹介します
![](https://assets.st-note.com/img/1718521003546-6hgx78gIZS.png?width=1200)
【起始】外側腸骨面が起始部
上前腸骨棘 (ASIS) の前方に3〜5 mmの位置から始まり、腸骨稜と平行に走り、腸骨結節まで達する。前腸骨線をたどり、筋肉の起始部は大坐骨切痕まで延びる。筋は坐骨臼の後上部を覆い、下腸骨線をたどり、前方に下前腸骨棘 (AIIS) まで達する。前縁は、ASISとAIISの間の骨隆起に沿って起始部を持つ。
【停止部】主に3つの部分に分けられる
(1) 骨への腱性挿入部 (2) 腱への筋束挿入部(3)ヒップ関節包への挿入部
骨への腱性挿入部: 最も一般的なものが大転子(GT)の前側で、他に前上部角、前外側隆起、外側面に付着するとの記述が混在している
筋束の腱への挿入: GMinの筋束は、腱の深層のみ挿入されるという情報があるものと、中央部と後部は深層に、前部は「外側部分」に付着するとされているものがある
関節包への挿入: 上部または外側の関節包、前側に付着するとの記述があるが、具体的な範囲や形態は不明
![](https://assets.st-note.com/img/1718523648079-Edp9gURNtf.png?width=1200)
【筋束および繊維の長さ】
前部、中央部、および後部の長さはそれぞれ5.0 cm、4.2 cm、3.4 cm
【筋肉全体の大きさ】
GMinの長さは、80.0〜95.0 mmの範囲
【筋束の向き】
前部が垂直に、後部が水平に配置されているとの記述が一般的。
【体積】
GMinに関する最初の公開された平均体積データは、死体から取得され、35 ml。これは後に公開されたMR画像から取得された値 (それぞれ102.5 cm3 ± 30.1 cm3、120.2 cm3 ± 16.2 cm3) の約1/3に相当し、もう一方のMR画像から計算された体積の半分以下でした
【神経支配】
解剖学教科書では上殿神経 (SGN) は中殿筋 (GMed) と小殿筋 (GMin) の両方に供給すると記述されてる。
一部の研究では、頭側分枝が GMin を神経支配し、尾側分枝は GMed の後部を神経支配するとされている。他方、他の研究では尾側分枝が GMin も含め、3 つの筋肉すべてを神経支配するとされている
今回参考引用した文献は以下のものです
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ca.22004