小殿筋の解剖学 4 理学療法士キリツ@姿勢コントロール 2024年6月16日 16:33 小殿筋(GMin)は歩行中の股関節の安定化、股関節外転など数多くの動作に関わっています小殿筋の役割と股関節機能不全への関わりを理解するためには解剖学的構造に関する知識が不可欠と思います今回はGMinの肉眼的解剖学に焦点を当てた系統的レビューからGMinの構造と神経支配に関する情報を紹介します【起始】外側腸骨面が起始部上前腸骨棘 (ASIS) の前方に3〜5 mmの位置から始まり、腸骨稜と平行に走り、腸骨結節まで達する。前腸骨線をたどり、筋肉の起始部は大坐骨切痕まで延びる。筋は坐骨臼の後上部を覆い、下腸骨線をたどり、前方に下前腸骨棘 (AIIS) まで達する。前縁は、ASISとAIISの間の骨隆起に沿って起始部を持つ。【停止部】主に3つの部分に分けられる(1) 骨への腱性挿入部 (2) 腱への筋束挿入部(3)ヒップ関節包への挿入部骨への腱性挿入部: 最も一般的なものが大転子(GT)の前側で、他に前上部角、前外側隆起、外側面に付着するとの記述が混在している筋束の腱への挿入: GMinの筋束は、腱の深層のみ挿入されるという情報があるものと、中央部と後部は深層に、前部は「外側部分」に付着するとされているものがある関節包への挿入: 上部または外側の関節包、前側に付着するとの記述があるが、具体的な範囲や形態は不明A review of the anatomy of the hip abductor muscles, gluteus medius, gluteus minimus, and tensor fascia lata起始・停止のバリエーション。 複数の出版物に共通する部分は濃い色で示す【筋束および繊維の長さ】前部、中央部、および後部の長さはそれぞれ5.0 cm、4.2 cm、3.4 cm【筋肉全体の大きさ】GMinの長さは、80.0〜95.0 mmの範囲【筋束の向き】前部が垂直に、後部が水平に配置されているとの記述が一般的。【体積】GMinに関する最初の公開された平均体積データは、死体から取得され、35 ml。これは後に公開されたMR画像から取得された値 (それぞれ102.5 cm3 ± 30.1 cm3、120.2 cm3 ± 16.2 cm3) の約1/3に相当し、もう一方のMR画像から計算された体積の半分以下でした【神経支配】解剖学教科書では上殿神経 (SGN) は中殿筋 (GMed) と小殿筋 (GMin) の両方に供給すると記述されてる。一部の研究では、頭側分枝が GMin を神経支配し、尾側分枝は GMed の後部を神経支配するとされている。他方、他の研究では尾側分枝が GMin も含め、3 つの筋肉すべてを神経支配するとされているA review of the anatomy of the hip abductor muscles, gluteus medius, gluteus minimus, and tensor fascia lata今回参考引用した文献は以下のものですhttps://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ca.22004 ダウンロード copy #解剖学 #小殿筋 4 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート