首の痛みにどのように対処する?
はじめに
首の痛みを訴える方は多いですよね
つらい痛みをなんとかしたいということで
その対応として
マッサージばかりやってしまうことがあるかもしれません
でも、痛みがあるとき
マッサージをすればそれでいいのでしょうか?
今回は、首の痛みを軽減するだけでなく
その後の痛みの再発を予防することが
期待できる方法について
研究論文を紹介しながら詳しく解説します
首の痛みに対する首の安定化運動の有効性:ランダム化比較試験
この論文は
首の痛みの治療において首の安定化運動が
従来の理学療法と比較して
有効かどうかを調べたランダム化比較試験です
60人の首の痛みを訴える患者が
以下の3つのグループにランダムに割り当てられました
グループ1: 経皮的電気神経刺激、超音波、赤外線照射など理学療法のみ
グループ2: 理学療法 + 等尺性およびストレッチ運動
グループ3: 理学療法 + 首の安定化運動
運動は、3週間の監督付きグループ運動の後
自宅トレーニングプログラムとして
実施されました
患者の痛み、障害、うつ病、頸椎の可動域は
ベースライン時と
1、3、6、9、12か月時に評価されました
結果
すべてのグループで
最初の6か月間に痛みが有意に減少しました
しかし、この改善はグループ3(理学療法 + 首の安定化運動)
のみで9か月時と12か月時に維持され
他のグループと比較して有意な差が見られました
首の障害指数(NDI)や抑うつ尺度(BDS)においても
3で顕著な改善が見られました
頸椎の可動域は
グループ3で正面平面において有意な増加を示しました
考察
この論文の結果は
首の痛みの治療において
首の安定化運動が
等尺性およびストレッチ運動と比較し
痛みと障害の軽減に優れ
機能改善にも役立つことを示しています
首の安定化運動の実施方法
首の安定化運動とは?
首の安定化運動とは
頸椎を安定させ
首の筋肉の筋力と持久力を向上させる運動です
首の筋肉が適切に働き首の動きを制御することで
安定させることを目標としています
首の安定化運動の実施方法
以下は、論文で紹介された首の安定化運動の一部です
姿勢の再教育: 鏡正面と側面の鏡を見て座り、腰椎と頚胸椎のニュートラルでバランスのとれた位置を探す
ストレッチ: 頸部、肩、胸郭、肩甲骨の筋肉のストレッチ運動(約10分間)
頸部の等尺性運動: 仰臥位で、頸部の下にタオルケットを敷き、枕で頭部を支えた状態で等尺性運動。さらに座位で頭の前方(頸部屈曲、伸展、回旋、側屈)に抵抗を加えたり、重力に逆らってテーブルの端から抵抗を加えたりすることで等尺性運動。各運動は10秒間保持し、15秒間休憩を挟み、10〜15回を徐々に繰り返す
肩甲骨の運動: 片側腕上げ、交互腕上げ、両側腕上げなどの運動を行う。最初の1週間は仰臥位で10回、最後の2週間は座位と立位で15回行い肩甲骨を近づけたり、離したりする。
ダンベル運動: 上肢と肩の筋肉のためのダンベル・エクササイズ(シーテッド・ショルダー・プレス、ラテラル・アームレイズ、フロント・アームレイズ、ハンマー・カール)を、重さを1kgから2kgまで変えながら、15回×2セット。セット間は5分間の休息。
終わりに
頸部の痛みがある人には
・姿勢の教育
・頸部や上部体幹のストレッチ
・頸部の等尺性運動
・肩甲骨周囲の運動
・肩周りの筋力訓練
が大事なことが分かりますね
首の安定化運動について
具体的な方法はこの論文では
分かりづらかったので
今後また記事にしていきます
今回参考引用した論文はこちら