シェア
とある姉弟の日常を描くショートストーリー。 ■ 登場人物 □ 姉 いつも笑顔で、何でも卒なくこなす少女。 ひよこが好きでグッズなどを集めている。 お姉さんだからと弟の世話を焼きがち。 □ 弟 おとなしくて物知りな少年。 愛読書は図鑑で、星が好き。人見知り。 いたずらで姉にちょっかいを出しがち。 □ 父親 優しくて、少し頼りないお父さん。 □ 母親 優しくて、病気がちなお母さん。 ■ 日記の種類 □ 白い日記 ほのぼのとした日常。 □ 黒い日記 信じるかはあなた次第
箱の中へ押し込められた、日常の跡。 壁や床の傷に思い出を見る、引越しの日。 早朝のベランダで、 姉弟が街並みを眺めていた。 夜の闇を、陽の光が染め始める頃。 狭間の光が、くすんだ都市を美しく照らす。 太陽と月の出会いが許された、 ほんの僅かな── ── "魔法"と名のつく時間。 現実から目を背けられない現代社会で、 唯一、魔法という存在が許された刻。 その景色を無言で見つめ、姉弟は思う。 自分たちが家族として、 共に過ごした日々に似ていると。 魔法が解ければ、