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研修医を教育するときに「鑑別疾患は何か」と頻繁に問います。鑑別疾患とは考えうる病名のことで、確定診断前の患者さんの「見立て」と言い換えてもよいでしょう。 「見立ての良い先生」というのは正確な診断を下し最適な治療を行うことのできる医師を示す言葉ですが、駆け出しの医者がそうなるまでには多大な努力と経験が必要です。 先ほどの問いに初めから明確に回答できる医師は存在しません。大抵の場合、どうにか絞り出して病名をひとつかふたつといったところです。そしてそれは誤診であることが圧