配信系の漫画に感じるストレス
(これは漫画を一気に読み切る若い集中力も自由な時間も失ってしまった人間のぼやきであり、どこかの特定の漫画サイトや配信アプリを批判するものではないという前提です)
結論から言うと、全ページ数におけるおおよその現在地の把握がしにくい所が配信系の漫画を読み続けることを疲れさせる原因だと考えている。
紙の漫画に慣れた世代としてはこれが大きなストレスなのだ。
例えるなら『句読点がひとつも無い長い文章を読まされる感覚』に近い。
今でも電子書籍市場は1巻ごとの購入制だ。よって電子書籍の場合はまだましではあるが、配信系漫画アプリは話数ごとの購入制だ。
例えば友人が「〇巻」まで読んだよ言えば、✕✕編のラストあたりかと察することができるが、「〇話」まで読んだと言われてもどこの辺りの話なのかさっぱりわからない。
配信系漫画アプリの個人的な最大のストレスは、自分の現在地が把握できないことだ。
紙の本に慣れている身としては、今読んでる巻の残りのページ数を指の感覚ひとつで把握できること、このエピソードが大体どこで区切られるのかを何となく察することができる権利は、知らずのうちに享受していた紙の特権だったのだなぁと痛感した。
手に汗握る展開にワクワクする気持ちの一方で、この話題はあと何話で一区切りあるのだろうか?と、ゴールの見えない長距離走に挑んでしまったような絶望感がある。
中年ともなると漫画の読みすぎを叱ってくれる親もいないので、長い話をノンストップで読み続けることができる。
次々とお出しされる面白い展開を最後まで読み続けられる点では、逆にノンストレスだと感じる人もいるだろう。
どこかで区切りをつけて風呂に入らなくては、ご飯にしなくては、明日も仕事だ早く寝なくてはと思う私にとって、現在地が把握できないものに手を出すのは結構恐ろしく、未読の漫画に手を付けるハードルを上げてしまうくらいだ。
また、全5巻と聞くとコンパクトにまとまった連載なのだろうと想像できるし、全60巻と聞くとなかなか読み応えのある内容なのだなと想像できる。
しかし全100話と言われると今から登るものがジャングルジムなのか富士山なのかさえ想像がつかない。
中年はね、早くても1週間か、遅いと1ヶ月に1回発売される漫画雑誌を読み、年に1巻、多くて2巻発売されるコミックスを買って育った世代なんだ。
もう漫画を夜通し読み続ける体力がないので、ここで休憩してくださいと言われない限り、疲れて脱落してしまうのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?