泣いているきみ
泣いているきみのとなりに座って
ぼくはきみの胸の中の草原を想う
ぼくが行ったことのないそこで
きみは広い広い空にむかって歌っている
泣いているきみが好きだ
笑っているきみと同じくらい
哀しみはいつもどこにでもあって
それはいつか必ず歓びへと溶けていく
いまきみはぼくの手のとどかないところで
世界に抱きしめられている
合唱曲集「かなしみはあたらしい」泣いているきみ
谷川俊太郎 詩/信長貴富 作曲
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悲しいときも
嬉しいときも
何かを決断するときも
私は海に来ます
辛いときは海を眺めながら
この歌を歌い
海に抱きしめてもらいます
海のなかに
たくさんの涙を溶かして帰ります
私はここから産まれ
いつかここに帰るのです
山を超えたら
そこにはいつも
海が両手を広げて待っています
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