日本の歪みをなぞる一冊【24.2.23】
・午前中のうちに薪を割ってしまっておきたい。コーヒーとバナナで朝食を済ませ、斧を手に庭に出る。
・せっかくうちには原動機付きの薪割り機があるのに、なぜか自分が起動しようとするとスターターロープ(引っ張ってエンジンを起動するロープ)が切れてしまう。同居人は一発で起動できるのに。仕方がないので手で割っていく。数は多くはないので、心地よいワークアウトになる。
・野良仕事中はこのところオーディオブックばかり聴いている。昨日に引き続き「イラク水滸伝」高野秀行。ラジオ感覚で本を聞けるのは嬉しい。
・昨日のロングランの疲れが溜まっていたので、今日のランはお休み。軽く筋トレとストレッチをし、川に飛び込む。ちょうど昼過ぎが満潮だったのでありがたい。
・昼ごはんにはいつものスパゲティ・カルボナーラを簡単に作ってたいらげる。もっとレパートリーが欲しいとも思うが、結局簡単で美味しいからいつもこれになってしまう。
・四連勤3日目。今日のクライアントたちもおだやかで、一緒にタコスを食べてロスト・ワールドを観る。自分でDVDを買ったはじめての映画だった記憶がある。万博記念公園のフリマで買ったんだっけな?懐かしい。
・クライアントたちが寝静まり、家の掃除を済ませた後、昨日買った本を読む。「涙にも国籍はあるのでしょうか―津波で亡くなった外国人をたどって―」三浦英之。三浦さんは新刊が出たらいつも必ず買って読む作家の一人。新聞記者らしい徹底した取材と、新聞記者らしくない繊細で感傷を誘う文体が素晴らしい。
・東日本大震災の津波で亡くなった外国人の数はいまだ正確にわかっていないのである。特に在留外国人が少なかった東北であるが、3.11の大津波は人種も国籍も関係なく多くの命を奪った。そのような数少ない外国人の犠牲者の人生を詳細に追った作品である。日本政府・日本という社会の外国人(特に有色人種)への差別や不作為の暴力など、より大きな歪みの片鱗をなぞることのできるルポルタージュだ。やはり自分の国は本当におかしい。
・ノンフィクション作品の構成や人称設定などに目がいく。初めて三浦さんの本を手に取った時から、ノンフィクションの作品を書こうとしている現在において、本の読み方が変わってきたのだな、と実感する。
・家に帰っても夢中で読み進め、半日で読了してしまった。各章の締めがいつも上手く、唸らされる。