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【怪作】「シン・仮面ライダー」の感想

 やあ、ついに宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」が公開されましたね、待ちわびていたので公開初日に観てきましたよ。
 いろんな意味で衝撃的な作品だったので感想を書きたかったんですけど、まだ公開から日にちが経っていませんからネタバレは良くないですよね、かと言って内容を書かなきゃ感想も何も無いですからねえ。

 と思っていたら同じ理由で感想記事を見送っていた「シン・仮面ライダー」のことを思い出したというわけなんです。
 この映画も公開初日に観たんですよ! 私はコアな仮面ライダーファンというわけではないんですが、初代と2号は子供の頃に夢中になって見ていた記憶があります。

 さてこの「シン・仮面ライダー」は庵野秀明監督によるシンシリーズの3作目になるのかな?「シン・エヴァンゲリオン」も入ると違ってくるのかもしれないけど、特撮作品のリメイクという意味では3番目ということですね。

 「シン・ゴジラ」は面白かったですねえ、怪獣に襲われてパニックになる街の人々や対応にあたる自衛隊や政府機関の人たちの描写が良かったです。
 使徒を迎え撃つネルフを彷彿とさせる演出でしたね、当然エヴァンゲリオンみたいな兵器はありませんから、みんなで知恵を絞って大怪獣を倒すというロマンあふれる展開でした。

 「シン・ウルトラマン」はちょっと変わった作品でした、日本が危機に見舞われるのは変わらないんですが街の人々は描写されません。次々と怪獣が現れるんですが自衛隊やウルトラマンが倒していくだけで危機感が感じられませんでしたね。
 外星人が登場して物語が面白くなります、メフィラス星人は最高のキャラでしたね。しかしラスボスとの決着がなんだかなあという感じで消化不良でした。

 さて「シン・仮面ライダー」の感想ですが、正直言っていまひとつという印象でした。
 私は「ゴジラ」「ウルトラマン」に比べると「仮面ライダー」が断然好きなんです、その思い入れが邪魔をしたのかもしれませんね。

 ではあらすじと私が気になった部分を挙げていきましょう。
 がっつりとネタバレしますので未視聴の人は気をつけてください。

あらすじ

 秘密組織ショッカーの研究員「緑川ルリ子」は組織の方針に疑問を持ち、組織で作った改造人間「本郷猛」と共に脱走を図る。
 しかし裏切りを許さないショッカーから追っ手が差し向けられるのだった。

 実にシンプルなストーリーですね、元々子ども向けの作品ですからわかりやすい物語なんですよね。

血しぶき舞い散る戦闘シーン!

 冒頭のショッカー戦闘員とのバトルでまずびっくりしたのは、いわゆる残虐描写ですね。
 ライダーのパンチで戦闘員たちの顔がグシャっと潰れて血が派手に飛び散るんです、ライダーの力がとんでもないんだよということをわかりやすく表しています。
 テレビ版仮面ライダーではこんな描写は記憶にありません、まあ子ども向け番組でしたから当然ですね。
 このシーンでグッと作品に引き込まれました。

強敵、クモオーグ!

 最初の強敵はクモオーグです、怪人と言わずにオーグって言うんですねえ。
 テレビ版仮面ライダーの最初の怪人がクモ男ですからこれは原作準拠ですね、ロケ地もダムみたいなところで見栄えもいいです。
 クモオーグのしゃべり方がメフィラス星人っぽくて面白いですね、戦闘アクションもカッコイイです、決め技のライダーキックは見せ方も素晴らしかったですね。

見事な角度でライダーキックが炸裂です!

政府機関の男と接触、ショッカーの秘密とは?

 クモオーグとの戦いに勝った本郷とルリ子は新たな隠れ家に移動します。
 ルリ子は「私は用意周到なの」と言っていましたから、このような隠れ家がまだ他にもあるのかもしれませんね。でもこんな隠れ家を持てるんならショッカーにバレないように逃亡することも出来たんじゃないのかなあ?

 そこに政府機関の男が2人現れ、ショッカー壊滅に協力を要請されます。
 ショッカーの創設経緯や理念などがここで語られます、セリフだけで説明されるんですがこれが何ともややこしいんですよ!

 とある大富豪が開発した高性能AIに「人類を幸福に導け」と命令して自殺。そのAIが組織したのがショッカーだというんです。

 ショッカーは正確には「SHOCKER」と表記するんだそうで「Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling」の頭文字を取ったものらしいんですね。

Sustainable  = 持続可能な
Happiness    = 幸せ
Organization   = 組織
Computational   = 計算的
Knowledge    = 知識
Embedded     = 埋め込み
Remodeling    = 改造

 今は便利ですよね、パソコンが簡単に翻訳してくれますからね。
 さて意訳すると「人々に知識を与えて、持続可能で幸せな社会にする組織」という感じでしょうか、悪の秘密結社というより怪しい宗教みたいじゃないですか。

 さてストーリーを追うのはここまでにして、私が気になった点を挙げていきましょうか。

主人公、本郷猛の性格と能力

 まず引っかかったのはこれ、今作の本郷猛は引きこもりのニートでコミュ障という設定です、これはとても残念でした。
 というのもテレビ版仮面ライダーの本郷猛はバイクレーサーで頭脳明晰、知能指数は600! という超ハイスペックな人なんです。そして改造人間であることに苦悩しながらも、子どもたちのために戦う熱血漢でした。
 私にとって本郷猛はヒーローそのものであり、演じられていた藤岡弘、さん共々憧れの対象なんですよ。
 それがコミュ障ですからねえ、まあ作品が違うんだから性格が違うぐらいは仕方ありませんが能力の方はどうなんでしょうか。
 バイクレーサーだからこそモンスターマシンのサイクロン号を乗りこなせるはずなのに、引きこもりのバイク好き程度の技術で乗りこなせるものなのでしょうか?
 そして頭脳ですよ、知能指数600という数値はさておいて大天才のはずなんです、緑川ルリ子よりも頭が良い人物なんですよ!
 しかし今作では頭が良い描写はありません、作戦を考えるのはいつもルリ子なんです、本郷はそれに従うだけで主体性が無いんです。
 これがヒーローの姿なのでしょうか、今作の本郷猛に憧れを抱くことは出来そうにないですね。

アップで荒い画面が多すぎる

 冒頭の戦闘シーンから気になっていたんですが、寄りの絵が多すぎて全体がよくわからないんですよ。もうちょっと引きの画面を増やしてここぞという場面だけアップにしてほしいですねえ。

 そして画像が荒いシーンが多いのが気になっていました、聞くところによるとiPhoneで撮影したシーンがあるとのことです。
 まったく理解出来ませんね、学生の自主製作映画じゃないんだからありえない暴挙というものです、この映像で観客からお金をもらうんですよ?
 ハリウッドと同等の機器を使えとは言いませんが、観てくれる人に出来る限り最高のものを提供しようとは思わないんでしょうか。

画面が暗くて見えない

 ハチオーグとの戦闘シーンと最終決戦前のトンネルですね。
 真っ暗な映画館で観てるのに全然見えないんですよ、まあハチオーグの方は刀を使った戦闘で高速移動の表現としてやったのでしょうからまだいいんですが、トンネルの方はちょっと許容できない暗さでしたね。
 初代テレビ版仮面ライダーにそういう暗いシーンがあって、庵野監督がそれをオマージュしたんじゃないかという考察を聞きましたが、それで納得は出来ませんね。
 周りが暗くても光の当て方で見せる方法はあるはずです、「ザ・バットマン」では暗い中での戦闘シーンが多かったですが何をやっているかはちゃんとわかりました。
 映像で観客にどう伝えるかを考えるのが映画監督の仕事でしょう、「真っ暗だけどまあいいや」と判断したのなら仕方ないですが、観客への思いやりは感じられませんでしたね。

セリフが聞き取りにくい

 ライダーたちがしゃべるシーンですね、ヘルメットをかぶってるからというのはわかるんですが、とにかく声がこもって聞き取りにくいんですよ!
 どんな素敵な言葉でも相手に伝わらないのでは意味がありません。リアル志向というつもりなのかもしれませんが、そんなものを誰が望むんですか。ハイテクの塊という設定のヘルメットなんですから、マイクとスピーカーがついているということにでもすればいいじゃないですか。
 ここでも観客に対する思いやりが感じられませんね。

オーグたちは強いのか弱いのか

 サソリオーグというのが登場して暴れ回るんですが、特殊部隊にやられてしまうんです。
 いやいやそれは無いでしょう! 怪人たちは普通の人には手に負えない恐怖の存在でなければライダーの存在価値が無いじゃないですか。
 これなら政府機関もライダーに頼らなくてもいいってことになるんじゃないですかねえ?
 この後に登場するハチオーグが本郷と戦って決着がつかなかったんですが、そこに現れた政府機関の男に拳銃一発で倒されてしまいました・・・。
 これ仮面ライダーの映画ですよ? ショッカーの怪人が普通の人間に立て続けにやられる展開でどう盛り上がれというんですか!?
 先に倒したサソリオーグの毒を使ったような話でしたが、死んだらすぐ泡になるはずなのにどうやって毒を抽出したのかというようなことはさておき、主人公を活躍させないでどうするんです、誰がヒーローなんですか。

謎の設定過多

 ライダーやオーグたちは改造によって食物を摂取しなくても生きていけるのだそうで、「プラーナ」というエネルギーを他人から奪うことで生命活動を維持出来るらしいのです。
 プラーナの量はそのまま強さにつながり、ラスボスであるチョウオーグはたくさんの人間からプラーナを奪い強大な力を有しているという。

 ふーん、エネルギーが多いと強いわけですか。キン肉マンでいう超人強度みたいなものかなあ? ここまではわかります。

 そしてチョウオーグの目的は全ての人間を「ハビタット世界」という嘘のない楽園に送ることなのだ!

 ?????・・・・・何だそれ! もう意味がわからないです。

 謎設定についてもアレですが、それより大きな問題はこの無駄に多い設定をセリフだけで説明しようとすることなんですよ、必然的に会話シーンが長くなって退屈極まりないです。これはアクション映画でしょう、観客に何を見せたいんですか。

一文字隼人登場シーンの問題点

 ついに登場した一文字隼人、最初はショッカーの手先として本郷と戦います。盛り上がるシチュエーションですが、ここでの戦闘シーンはいまいちでしたね。
 何かぴょんぴょん飛び上がりながら空中で殴り合うんです、まあバッタの怪人ですから跳躍力が売りなのはわかりますが、劣化版ドラゴンボールを見せられているようで楽しくないです、CG全開なんだけど絵がちゃちいんですよ。

 激闘の末に本郷は脚をへし折られて地面に倒れ伏します、とどめを刺そうとする一文字をルリ子が洗脳解放プログラムみたいなもので正気に戻します、最初からやればいいのに。

 そこに突然現れたカメレオンオーグ、透明に擬態できる能力で密かに近寄りルリ子を刺し殺します。そこからは一文字が活躍してカメレオンオーグを倒すんです。

 おそらくこれはテレビ版仮面ライダーで一文字隼人が登場する流れをモチーフにしているんだと思います。
 藤岡弘、さんがバイク事故で足を骨折して撮影が不可能になり、急遽代役として佐々木剛さん演じる一文字隼人の登場となったわけですが、緑川ルリ子もそれからは出てこなくなるんですよ。

 これは感心しませんね。藤岡弘、さんにしてみれば事故で撮影に穴を空けてしまったことに忸怩たる思いがあったと思うんです。結果的に緑川ルリ子役の森川千恵子さんの仕事も奪ってしまったわけですから悔いが残っているんじゃないのかなあ。
 その心の傷をえぐるような演出は許容できませんね、庵野監督は仮面ライダーの熱烈なファンということでしたが、作品を作り上げてきた人たちへのリスペクトを感じられません。

「ライダーキック」叫ばない問題

 これは私にとっては大きな問題です、子どもの頃にやった仮面ライダーごっこでは「ライダーキック!」と叫びながら友達に飛び蹴りをしていたものです。
 たしかにテレビ版仮面ライダーでも初期は無言でライダーキックをしていたんです、それがいつからか「ラァイダー、キィック!」と叫ぶようになりました。たぶん無言だと地味で盛り上がらないと制作側が思ったのでしょう。
 そしてそれがかっこよかったんですよ! まさに必殺技という感じで興奮しましたね。
 
 だから今作でも最初のシーンこそ無言ライダーキックでしたが、本郷がライダーとして生きることを決意してからは高らかに叫んでライダーキックを決めてくれるものと期待していたんです。
 ・・・・・最後まで無言キックでした・・・。
 庵野さん本当に仮面ライダーのファンなんですかね? 仮面ライダーごっことかやらなかったんでしょうか。

スーツアクターを使わない

 今作ではアクションシーンでスーツアクターを使わず、俳優さん本人が演技をしていたらしいんです。
 テレビ版仮面ライダーでは藤岡弘、さんがライダーのアクションもやっていたことのオマージュということなんでしょうか?
 だけど武道家でもある藤岡さんなら激しいアクションもこなせるでしょうけど、普通の俳優さんではおのずと限界があるでしょう、実際ラスボスチョウオーグとの最終決戦ではグダグダのくんずほぐれつレスリングを見せられて興ざめでした。
 そこはスーツアクターを使えばいいじゃないですか、その方がかっこいいアクションシーンを撮れるはずです。
 真っ暗画面のオマージュもそうですが原作をリスペクトする方向がずれているように感じられました。
 初代仮面ライダーは当時の最新技術でかっこいいシーンを子どもたちに見せようと頑張っていたんですよ、現代でベストを尽くさず古臭い映像を撮って原作オマージュなどと言うのは本当のリスペクトではないと思うんです。

最大の問題!ショッカーとは何なのか

 いろいろ言ってきましたが最大の問題はやはりこれでしょう、なぜならライダーを生み出したのもライダーが戦う理由もショッカーという組織なのですから。
 今作のショッカーは前述したように人々に知識を与えて、持続可能で幸せな社会にするために活動しています、漠然とした目標ですが巨大組織のスローガンはこんなものかもしれません、

 しかしショッカーという組織のトップは誰なんですか、AIを搭載したロボットは出てくるんですがオーグたちに命令してるような描写はありません。
 最初に襲ってくるクモオーグは誰の命令で追ってきたんですか、そういう組織の指揮系統が描写されないのでショッカーという組織がどういうものかがわからないんですよ。

 オーグ同士の関係性もわかりません、ラスボスのチョウオーグが他のオーグに指示を出してるんでしょうか、そういうシーンが無いからわからないです。
 そしてオーグたちがやっていることがバラバラなんです。コウモリオーグはウィルスをばら撒こうとしていたし、ハチオーグは人々を意のままに操っていました、そしてチョウオーグは全人類をハビタット世界に送ろうとしている・・・。
 ショッカーという組織がやりたいことがまるでわからないんですよ、それがわからないということは、ライダーが戦う理由もわからないということなんです。

 やはり悪役がはっきりと悪くないと見てる方もテンションが上がらないんですよ、暴れん坊将軍で悪代官が「民に英知を授けて幸福な世の中にしようぞ」なんて言ってたら上様も成敗しにくいでしょう。

 テレビ版仮面ライダーのナレーションで「仮面ライダー本郷猛は改造人間である。彼を改造したショッカーは世界制覇を企む悪の秘密結社である。仮面ライダーは人間の自由のためにショッカーと戦うのだ!」というのがあるんですが、これがどれほど優れているか痛感しますね。わずか十数秒でこの物語がどんなものかがわかるんですから。

 長期に渡ってやるドラマなら小難しい設定を並べるのもいいでしょう、だけどせいぜい2時間しかない映画でそんなことをやってたら尺が足りなくなるのは当然です。
 私がこの映画に期待していたのはライダーのカッコいいアクションシーンですよ、珍妙な世界観を長セリフで延々と聞かされるのは苦痛でしかありませんでした。

 さて気になったところを挙げていったら多くなっちゃいましたね、私にとって初代仮面ライダーや本郷猛というのは特別な存在なんです。

 もちろん良かったところもありましたから、挙げていきましょう!

超美人!浜辺美波さん

 いやあ凄い綺麗な女優さんですねえ、知らなかったのですがファンになりました。

浜辺美波さん

 可愛いというよりは綺麗という女優さんですよね、あまり感情を表に出さないクールなキャラクターでした。よくしゃべる綾波レイというイメージです。

 前述したように途中で退場してしまうんですが、そこまでは主人公の本郷猛よりも目立っていたんじゃないでしょうか。

ナイスガイ!一文字隼人

 一文字隼人は良いキャラでしたねえ、一匹狼のジャーナリストということでしたが、ちょっと斜に構えたような言動や態度で孤高を気取っていながらも本郷のピンチに颯爽と現れる千両役者ぶりです。ケンカの強いカイ・シデンというイメージでしょうか。

 巷の人気も高いらしく主人公の本郷猛より好感度が高いんじゃないでしょうか、登場シーンは少ないんですからこれは凄いことです。
 旧作の一文字隼人に近いイメージでした、大きく改変された本郷がアレだったので相対的に評価が上がったのかもしれませんね。

怪人祭り

 今作にはたくさんのオーグが登場します。クモ・コウモリ・サソリ・ハチ・カメレオン・チョウの6体です。
 2時間ほどの映画でこんなにたくさんの怪人を見られるとは思っていませんでしたからお得感がありましたね。
 これらのオーグたちのデザインがかっこいいんですよ! 特にハチオーグが良かったですね。

ハチオーグ

 どうですこのデザインは、おそらくスズメバチをモチーフにしてるんだろうけど黄色と黒色のコントラストが不気味感を出しています、こんなに強そうなのにまさかハンドガン一発でやられちゃうとはなあ・・・。

 他にもライダーと同種の量産型オーグ「大量発生型相変異バッタオーグ」というのもたくさん出てきます、微妙にネーミングセンスがダサいんですよねえ、ショッカーライダーの方がかっこいいのになあ。

ラストシーンの納得感

 ラストバトルで本郷はチョウオーグと相打ちのような形で命を落とすんですが、一人生き残った一文字がルリ子や本郷の思いを受け継いでサイクロン号で走り去るラストシーンは良かったですね。
 やはり仮面ライダーは孤高のヒーローですからね、政府機関の言いなりというのは引っかかりますが、スッキリとした良い終わり方だったと思います。

 そしてエンドロールで流れた「レッツゴー!! ライダーキック」を聴いて思わず涙が出ちゃいましたね、思い出が一気に甦ってきました。
 曲を聴いてて思ったんですが、出だしの歌詞に「迫るショッカー、地獄の軍団」というのがあります、やはりショッカーは純然たる悪の組織でなくてはいけなかったんですよ!

 さて、気になったポイント、良かった点についてはこんなところです。
 では採点をしていきましょう!

総合評価

・ストーリー 30点
 基本のストーリーはシンプルなんだけど、新しい設定がどれもこれも難解で理解しにくいものばかりでしたね。
 そしてやっぱり大きいのがショッカーの設定かなあ、ヒーローが悪い奴をぶちのめすというシンプルな方が感情移入がしやすかったでしょう。
 そういうストーリーを期待していた分肩透かしを食らったように思ってしまったのかもしれません。

・ビジュアル 50点
 これは評価が難しいです、ライダーやオーグのデザインはかっこいいんです、サイクロン号も良かった。
 でも撮り方が良くなかったのか映像としてはひたすらに見にくい作品になってしまいましたね、とても惜しい。

・音楽 70点
 
これは良かったですよ、戦闘シーンに流れてる曲はかっこいいし、全体的に雰囲気が良くて好印象でした。
 ただ強烈に耳に残る名曲があったかと言われると、そうでもなかったのかなあ。

・キャラクター 30点
 
前述したように一文字やルリ子は良かったんです、でも肝心の本郷がなあ・・・。
 私の本郷猛への思い入れが強いために、どうしても今作の本郷は受け入れられないんです。誤解の無いように言っておきますが主演の池松壮亮さんの演技は良かったと思いますよ、設定に問題があるんです。

 後はラスボスの存在感が薄かったかなあ、何をやりたいのかよくわからないというのもあって印象が弱かったかもしれません。地獄大使みたいなショッカー幹部を見たかったなあ。

・総合評価 40点
 何というか惜しいという感じでしたねえ、駄作というわけでは無いと思うし、かと言って名作とは思えないし・・・。
 ラストシーンはスッキリしてるんですけど、観終わったときにモヤモヤ感がありました。
 庵野監督らしい作品と言えばまさにそんな感じでしょう、だからこの映画に対する私の評価は「怪作」なんです。


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