本の要約:顧客ロイヤルティのマネジメント
初めまして!siro_masaruです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はフレデリック・F・ライクヘルド 著「顧客ロイヤルティのマネジメント」1998年発行をつまみ食いします。
まさに超、超、要約。
おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
この記事で言いたいこと
✅ 1998年発行の本だが、現在でも生きる概念である。
本記事では愛着、熱烈な支持のことを指している。
より正確にいうなら、顧客ロイヤルティと呼ばれ、「自社や製品、サービスに対して顧客が抱く愛情や信頼」を指す。つまり、「顧客との絆」である。
ポイントカードやマイレージ、コールセンターなどはこの「顧客ロイヤルティ」の考え方が基礎になっている。
優良な3つの「顧客」「社員」「株主」を慎重に選択・維持して企業価値を創造し、継続的な収益拡大の経営モデルを実現するアメリカの企業に学ぶ経営学の本である。
つまり、新規開拓よりも「ファンや推してくれる人」を大切にしよう!と語る書籍である。
本記事では、「顧客」「社員」について紹介します。
顧客ロイヤルティとは何か?
「購入いただければ、私が責任を持ってサポートいたします!」
熱心な営業が、買った途端に音沙汰がなくなってしまった。
簡単にいうなら、新規顧客の開拓に忙しい状態である。
たしかに新しい顧客を見つけることも大切。
でもそれだけではダメ。
これは単なる道徳観とか精神論の話ではなく、ビジネスの話。
実は顧客との絆を深めることが、結果的に企業の利益を押し上げる。
今の顧客を大切にする理由
顧客維持率の影響は大きい。
顧客維持率が1%向上するだけでも、利益に大きな影響を及ぼす。
簡単な例:アイスクリーム屋の顧客維持率
状況
アイスクリーム屋に、最初の週は10人のお客さんが来た。
次の週もアイスを買いに来てくれたのは8人だった。
計算❶
10人いたお客さんの中から、8人がまた来てくれたので計算すると…
つまり、「80%の人がアイス屋のファンだ!」
計算❷
さらに次の週。
2週目に来てくれた8人のうち、3人がまた来てくれた。
リピーターが減った。= 顧客維持率が80% → 37.5%
「減った原因を分析し、適切なサポートを考えなければ…。」となる。
どの程度の期間(週、月、年)で計測するかは業種やサービスによるが、今の顧客のうち、1年後も取引がある顧客の比率を指す。
顧客維持率が高いと、顧客が買い続ける期間も長くなる。
リピーターが継続的に取引を行うことで、売上が安定し、新規顧客を追い求めるコストも削減できる。
不思議と人が多いほど、人は集まりやすい。
「人気」になると「口コミ」が増える。
新規顧客がリピーターになりやすいのだ。
顧客放置のリスク
新規開拓に集中しすぎると、既存顧客を失うリスクが高まる。
離れた顧客がもたらす損失は、新しい顧客を獲得するコストよりも大きい。
あなたの事業を長期的に考えるなら、見逃せない。
今の顧客を大切にするにはどうすればいいのか?🤔
⇒ ここで必要なのが「顧客ロイヤルティ」という考え方である。
顧客ロイヤルティの「顧客」には種類がある。
・買う前の「見込客」
・初めて買った「新規顧客」
・繰り返し買う「既存顧客」
・買わなくなった「離反顧客」
・クレーマーの「問題顧客」
・強い信頼を持つ「優良顧客」
顧客ロイヤルティで見ると「顧客」にはいろいろある。
基本的には「見込客 → 新規顧客 → ???顧客」になる。
ディズニーランドがわかりやすい。
【❶顧客獲得コスト】
広告などにお金をかける。
CMでまずは興味を持たせる。 (見込客)
【❷基準利益】
入場チケットを買うことで、ディズニーは利益が得られる。 (新規顧客)
【❸購入増加による利益】
ディズニーランドの平均滞在時間はおよそ9時間。
実はディズニーランドでは、入場やアトラクションチケット売上よりも、グッズ販売や飲食の売上のほうが多い。
長時間滞在して満足した顧客ほど、様々な商品を買う。
・良い体験であればあるほど、リピーターとなる。(既存顧客)
・逆もしかり。(離反顧客)
・熱烈な支持を得られれば、1年に何度も訪れて「告広」してくれる(優良顧客)
【❹営業コスト削減による利益】
既存顧客は、ディズニーでどこに何があるかを熟知している。
スタッフの手間がかからないので、会社側のコストは減る。
売上は変わらないので、利益は増える。 (既存顧客)
【❺クチコミ紹介による利益】
ディズニーランドが大好きな優良顧客は、他人に熱心に勧めたり、知人を連れてきたりする。 (優良顧客)
優良顧客が運営するブログ、SNS、Youtubeでの紹介も同じ。(告広)
【❻価格プレミアムによる利益】
ディズニーランド来場者の90%以上はリピーターだと言われている。
ディズニーランドは、常に新しい「夢の空間体験」ができるように努力している。
それは顧客を裏切らないようにするため。
(離反顧客、問題顧客の回避)
既存顧客や優良顧客は少々高くても、価格を気にしなくなる。
(維持費や需要によるインフレもしやすい。)
ちなみに、本書は、「一番大切にすべきは顧客である」とは、書かれていない。
社員ロイヤルティも鍵を握る
社員満足が顧客満足を生む
やりがいを感じる社員がいる企業は、顧客との信頼関係を深める力が強い。
社員の満足度向上が、顧客ロイヤルティの向上にも直結する。
特にサービス業では仕事にやりがいを持つ満足度が高いスタッフが、高い顧客満足を生み出す。
社員のやる気を出せる企業の強さがここにある。
社員と顧客の両方を大切にする企業は、長期的な成功を収めている。
ネットフリックスやアマゾンは、顧客ロイヤルティを最も重要視し、日々の業務で顧客維持率を常にチェックして、必要な対策を取っている。
その結果、劇的に売上を拡大させているのだ。
低収益に苦しむ企業はこの仕組みを理解せず、新規顧客開拓が大事と考え、消耗戦を繰り返しているところが少なくない。
社員と顧客に誠実であれ。
本書に目を通して考えると、新たな可能性が見えてくる。
「古い果物の上に新しいものを重ねてカゴに入れて売ってはならない」
まとめ
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆