「雑頌」集紹介
「オンライン・ラマナ・サットサンガ」プログラムFの詠唱用コンテンツとして配信されている、各種「雑稿集」の概要解説紹介シリーズです。
(1)ポパダムの歌
1914年か1915年に、バガヴァーンはヴィルパクシャ・ケーヴで母と一緒に住んでいた。母はバガヴァーンと共に生活し、炊事は殆んど彼女の仕事であった。バガヴァーン自身調理に熟達しており、そのときもまたその後も、しばしば食事の準備を手伝った。あるとき、母はポパダム———かりかりに揚げた黒豆の粉でつくった薄く円いケーキ———を作っていたが、彼女は手伝ってもらおうとバガヴァーンを呼びよせた。しかしバガヴァーンはそうするかわりに、ポパダムをつくる象徴的意味によって、霊性開発のための教訓を与えるこの詩をつくった。
アッパラ ミットゥッ パール アッタイ
Appala mittup pāru — attai
チャーッピ トゥン アーサイ ヤイ ティール
Chāppi-tun āsai-yai tīru
世界中を放浪し憂うつに悩む必要はない
家の中でポパダムを作りなさい
イッ プヴィ タンニル エーンギ ティリ ヤーマル
Ip-puvi tannil ēngi tiri-yāmal
サルボーダ スカ サット グル ヴァーナヴァー
Sarbhōda suka Sat-Guru vānavar
チェッパードゥ チョンナ タットヴァ マーギラ
Cheppādu chonna tattuva māgira
オップヤル ヴィッラー ヴォー モリ イン パディ
Oppuyar villā vōr-mozhi yin-padi
「汝はそれなり」という教訓に従って
話されることのない比類なく独特の言葉
それは言葉によってではなく宣言する熟達した賢者
偉大なる権化であるかれの沈黙は破られない
それは存在・意識・至福だ
かれの永遠の継承物とともに
アッパラ ミットゥッ パール アッタイ
Appala mittup pāru — attai
チャーッピ トゥン アーサイ ヤイ ティール
Chāppi-tun āsai-yai tīru
ポパダムを作りなさい そして揚げ食べた後 あなたの渇望は満たされる
ターン アッラー アイン コーサ クシェートラ ミディル ヴァラー
Tān-allā ain-kōsa kshētra midil-valar
ターン エンヌ マーナ マーン ダーンヤ ヴルン ダイ
Tān-ennu māna-mān dānya vulun-dai
ナーナー レン ジュニャーナ ヴィチャーラ ティリガイ イル
Nānā-ren jnāna vichāra tirigai-yil
ナーン アッラ ヴェンドレ ウダイッ トゥッ ポディットゥ
Nān-alla vendre udait-tup podittu
里豆の収穫物である穀粒を五つの鞘をもつ肉体の肥沃な畑で成長した
いわゆる自己またはエゴを石でできたローラー・ミルに投入しなさい
それは知恵の探求
「私は誰か」 それはそうするだけで真我がその自由を手に入れるだろう
これはもっとも細かい粉に砕かれ破片にすりつぶされねばならない
非我が存在する限り われわれは自己の愛着を粉砕せねばならない
アッパラ ミットゥッ パール アッタイ
Appala mittup pāru — attai
チャーッピ トゥン アーサイ ヤイ ティール
Chāppi-tun āsai-yai tīru
ポパダムを作りなさい そして揚げ食べた後 あなたの渇望は満たされる
サット サンガ マーグム ピランダイ ラサッ トードゥ
Sat-sanga-māgum pirandai rasat-tōdu
サマ ダマ マーギンドラ ジーラガ ミラ グダン
Sama-dama māgindra jīraga mila-gudan
ウパラティ ヤーグ マヴ ウッポー ドゥッラ ナル
Uparati yāgu-mav uppō dulla nal
ヴァーサ ナイ ヤーム ペルン カーヤ ムン チェーットゥ
Vāsa-nai yām-perun kāya-mun chērttu
四角い茎のブドーからつくったワインのジュースに混ぜなさい
これは聖なる人との交わり
下準備中のこの結合とともに心の制御をもたらすいくつかのカミンの種と
気まぐれな感覚を抑制する胡椒
それらとともに世界に無関心なままとどまっている塩を転ろがしなさい
高潔な合一へ向かう性向をもつ香料とともに
これらはそれぞれ異なった効用なのだ
アッパラ ミットゥッ パール アッタイ
Appala mittup pāru — attai
チャーッピ トゥン アーサイ ヤイ ティール
Chāppi-tun āsai-yai tīru
ポパダムを作りなさい そして揚げ食べた後 あなたの渇望は満たされる
カル ネンジル ナーン ナーン エンドル カラン ガーマル
Kal-nenjil nān-nān endru kalan-gāmal
ウルムカ ヴラッ カイヤール オーヤー ディディットゥ
Ulmuka vulak-kaiyāl ōyā-didittu
シャーンタ マーン クラ ヴィヤール サマ マーナ パラ ガイイル
Shānta-mān kuzha-viyāl sama-māna pala-gaiyil
サン タタン チャリッ パラ サントーシャ マーガヴェー
San-tatan chalip-para santōsha māgavē
次にこの混合物を練粉に混ぜ心であるそれを石の上に置き
鍛えられた性向によって内向きにされた心のすりこぎで
加えられた「私―私」の強打によって中断することなくそれを打ちのめしなさい
そうすれば ゆっくりと心は格闘するのをやめるだろう
そしてブラフマンの厚板の上で平安のめん棒で平らにしなさい
中断することなく努力を続けなさい
精力的な熱意によって
アッパラ ミットゥッ パール アッタイ
Appala mittup pāru — attai
チャーッピ トゥン アーサイ ヤイ ティール
Chāppi-tun āsai-yai tīru
ポパダムを作りなさい そして揚げ食べた後 あなたの渇望は満たされる
モーナ ムッ ドライ ヤグム ムディ ヴィッラーッ パーットラッティル
Mōna-mud drai-yagum mudi-villāp pāttrattil
ジュニャーナーグニ ヤール カーユム ナル ブランマ ネイ ヤディル
Jnānāgni yāl-kāyum nar-bramma nei-yadil
ナーン アドゥ ヴァーガヴェー ナールム ポリッ トゥ
Nān-adu vāgavē nālum porit-tu
ターネー ターナーガ ブジッカ タン マヤ
Tānē tānāga bujikka tan-maya
ポパダムまたは心はいまフライパンに入れる用意ができた
それは偉大な沈黙であり無限なるものを象徴する
それは至高者である浄化された新鮮なバターを投入してはじめて準備される
そしていま熟せられパチパチはねはじめる
知恵の自ら光り輝く炎の上で
ポパダム それとしての「私」を揚げなさい
すべての人がひとりで同じものを享受して私たちが永遠に目ざす至福を
アッパラ ミットゥッ パール アッタイ
Appala mittup pāru — attai
チャーッピ トゥン アーサイ ヤイ ティール
Chāppi-tun āsai-yai tīru
自己のポパダムを作りなさい
そして食べたあとあなたは完全な平安で満たされるだろう